更新日: 2023.05.02 その他年金

65歳で「定年退職」した場合、年金はいつ受け取って何歳まで生きれば「得」になる?

65歳で「定年退職」した場合、年金はいつ受け取って何歳まで生きれば「得」になる?
国民年金(基礎年金)は「国民皆年金制度」といわれるように、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は毎月保険料を負担することになります。しかし、65歳から年金を受け取れるものの、何歳まで生きていれば「元が取れる」のか気になる人も多いのではないでしょうか。
 
本記事では、年金の損益分岐点について解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

公的年金は繰下げ受給ができる

公的年金は原則65歳から受給が開始されます。しかし、手続きすることで、66歳以降から75歳まで受給開始時期を繰り下げることができます。繰下げ受給することで、繰り下げた期間に応じた年金額が増額され、生涯増額した年金を受け取れます。
 
また逆に、60歳から64歳まで受給開始時期を繰り上げることも可能です。繰上げ受給は、繰り上げた期間に応じて65歳から受け取れる年金額よりも減額され、減額率は一生変わらないため注意する必要があります。
 
なお、繰下げ受給の場合、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰り下げることができますが、繰上げ受給になると、同時に繰上げ請求しなければなりません。
 

繰下げ受給した場合の損益分岐点

繰下げ受給する場合の増額率は、「繰り下げた月数×0.7%」です。例えば、66歳から繰り下げれば「12ヶ月×0.7%」で計算し、1年間で増額率が8.4%になります。同じように計算すると、70歳で42%、75歳で84%です。
 
損益分岐点を計算するには、例えば、66歳で年金を受け取る場合100%となるため、「108.4%÷0.7%÷12ヶ月=約12.9年」と計算することができます。つまり65歳で年金を受け取った場合と比較すると、約77歳11ヶ月まで生きることで得をする計算になります。
 
損益分岐点の計算方法から、繰下げ受給した場合で算出すると図表1のとおりです。
 
図表1
 

受給開始年齢 増減率 損益分岐点
65歳 0%
66歳 8.4% 約77歳11ヶ月
67歳 16.8% 約78歳11ヶ月
68歳 25.2% 約79歳11ヶ月
69歳 33.6% 約80歳11ヶ月
70歳 42% 約81歳11ヶ月
71歳 50.4% 約82歳11ヶ月
72歳 58.8% 約83歳11ヶ月
73歳 67.2% 約84歳11ヶ月
74歳 75.6% 約85歳11ヶ月
75歳 84% 約86歳11ヶ月

 
日本年金機構 年金の繰下げ受給より筆者作成
 

結局何歳から年金を受け取ればいいのか

年金を繰下げ受給して受け取る目安としては、厚生労働省が公表している「簡易生命表」を参考にするとよいでしょう。
 
簡易生命表によると、2021年の65歳時点の平均余命は、男性84.85歳、女性89.73歳です。平均余命から繰下げ受給する年齢を判断すると、男性であれば72歳から、女性であれば75歳から受け取ることで、65歳から受け取るよりも得することになります。
 
ただし、自分自身が65歳時点で何歳まで生きられるかは分かるものではないため、あくまで目安として判断するとよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給

日本年金機構 年金の繰上げ受給

厚生労働省 令和3年簡易生命表の概況

 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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