更新日: 2023.05.24 その他年金

年金受給額の男女差は「約72万円」!?「70歳・75歳」まで受給を繰り下げたらいくら増える?

年金受給額の男女差は「約72万円」!?「70歳・75歳」まで受給を繰り下げたらいくら増える?
老後の生活を金銭的に支えるものとして年金制度があります。年金の受給額は、納めた保険料額や期間によって異なります。本記事では、厚生年金受け取りの繰下げを活用したら、年金がどのくらい増額するかの試算を解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金受給額に男女差はある?

厚生労働省「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、老齢厚生年金の平均受給月額は65歳以上男性で約16万9000円・女性で約10万9000円と、月に約6万円の差があります。年単位に計算すると男女差は約72万円です。男女に年金額の差が出た原因はそれぞれの収入差にあります。
 
厚生年金は月の収入などをもとに保険料を計算して将来の年金額を決めるため、男女の賃金格差や、女性は家事や育児、介護といった無償労働に男性よりも多く従事していることが理由と考えられます。
 

年金受給を繰り下げたらどのくらい増額される?

年金額を増やす方法のひとつとして、年金受給開始を66歳以降に繰り下げる方法があります。繰下げを申請した場合は1ヶ月あたり0.7%ずつ増額されてゆきます。受給開始年齢は75歳まで繰り下げることが可能で、老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方受給できる人はどちらか片方を繰り下げることもできます。
 
女性の65歳以上での年間平均年金受給額約130万8000円(基礎年金約79万5000円・厚生年金約51万3000円)の、両方を繰り下げた場合と片方を繰り下げた場合を試算してみましょう。
 

<試算例1:70歳まで老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げるAさん>

(79万5000円×0.7%×12ヶ月×5年)=約33万3900円の老齢基礎年金増額
(51万3000円×0.7%×12ヶ月×5年)=約21万5460円の老齢厚生年金増額
 

老齢基礎年金79万5000円+増額分33万3900円=約112万8900円
老齢厚生年金51万3000円+増額分21万5460円=約72万8460円
70歳時点での年金年間受給見込み額:約185万7360円

 

<試算例2:75歳まで老齢基礎年金と老齢厚生年金を繰り下げるBさん>

(79万5000円×0.7%×12ヶ月×10年)=約66万7800円の老齢基礎年金増額
(51万3000円×0.7%×12ヶ月×10年)=約43万920円の老齢厚生年金増額
 

老齢基礎年金79万5000円+増額分66万7800円=約146万2800円
老齢厚生年金51万3000円+増額分43万920円=約94万3920円
75歳時点での年金年間受給見込み額:約240万6720円

 

<試算例3:老齢基礎年金を受け取りながら、老齢厚生年金を70歳まで繰り下げるCさん>

(51万3000円×0.7%×12ヶ月×5年)=約21万5460円の老齢厚生年金増額
 

老齢基礎年金79万5000円+(51万3000円+増額分21万5460円)=152万3460円
70歳時点での年金年間受給見込み額:約152万3460円

 

<試算例4:老齢基礎年金を受け取りながら、老齢厚生年金を75歳まで繰り下げるDさん>

 
(51万3000円×0.7%×12ヶ月×10年)=約43万920円の老齢厚生年金増額
 

老齢基礎年金79万5000円+(51万3000円+増額分43万920円)=173万8920円
75歳時点での年金年間受給見込み額:約173万8920円

 
以上のように、受給開始年齢を繰り下げると約数十万円の増額が見込めます。
 

繰下げ時の注意点は、何がある?

年金受給の繰下げ申請を行う前の留意点として「年金を受け取るまでの待機期間中の収入を確保する」ことが最も重要です。待機期間の途中で亡くなってしまうと年金が受け取れないこともあります(家計を一にしている親族がいる場合には「未支給年金」として受け取ることも可能です)。
 

まとめ

年金の繰下げは、老後資金を増やす方法のひとつです。65歳以降の収入(賃金など)が少なくなりそうな見込みなら、老齢基礎年金・老齢厚生年金どちらかの年金を繰り下げて増額することで生活資金の基盤を整える方法も考えられます。
 
繰り下げる期間をどのくらいにするのか、現時点での年金予定額や所有している預金額などを把握し、慎重に検討しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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