更新日: 2023.05.25 その他年金
年金を「66歳以降」に繰下げ受給! 年金額が増えても「損」する場合もあるって本当?
本記事では、繰下げ受給の概要を説明した上で、どういった場合に損をするのか、解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
繰下げ受給でどれくらい年金額が増えるのか
老齢基礎年金、老齢厚生年金は65歳で受け取らず、66~75歳までの間に繰り下げ、通常よりも増額した金額を受給することもできます。老齢基礎年金と老齢厚生年金はどちらか片方だけ繰り下げて受給できるので、自身の生活に合わせた選択が可能です。
繰下げ受給をすると、繰り下げた期間に応じた加算額が、65歳で受け取り始めた場合の金額に上乗せされます。具体的には、増額率は1ヶ月遅らせるごとに0.7%です。そのため、66歳0ヶ月であれば8.4%、70歳0ヶ月であれば42.0%、最大の75歳0ヶ月であれば84.0%といった増額率が、65歳で受け取り始めた場合の金額に加算されます。
ただし、昭和27年4月1日以前生まれの人は、繰り下げの上限年齢が70歳までです。
増額された金額は生涯受給できるので、長生きすればするほど、その恩恵を受け続けることが可能です。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
繰下げ受給で損をしてしまうのはどういう場合か
繰下げ受給は低金利の定期預金などと比べると、かなり得だと言えますが、場合によっては損をしてしまうことがあります。一番分かりやすいのは、長生きできなかった場合です。
例えば、65歳で受給を始めた場合、年間300万円の年金を受け取れるとします。この場合、70歳で受給を開始すると、300万円に42%が加算され、年間426万円が生涯受け取れます。
そのため、例えば、85歳まで生きたとすると、受給開始年齢が65歳と70歳それぞれの生涯受け取れる年金額は次のとおりです。
●65歳で受け取り始める場合:300万円×20年=6000万円
●70歳で受け取り始める場合:426万円×15年=6390万円
この場合、65歳よりも70歳のほうが受け取れる期間は短いものの、毎年100万円以上多く受け取れ、生涯でも約400万円多く受け取れます。
しかし、75歳で亡くなった場合はどうでしょうか。75歳で亡くなった場合の生涯受け取れる年金額は次のとおりです。
●65歳で受け取り始める場合:300万円×10年=3000万円
●70歳で受け取り始める場合:426万円×5年=2130万円
今度は、生涯でもらえる年金額が65歳よりも約900万円少なくなってしまいました。
このように、繰下げ受給をしても、早めに亡くなってしまうと受け取れる期間が短いため、65歳で受給開始をした場合よりも損をしてしまう可能性があります。
また、年金にも税金や社会保険料は発生します。現役時代と同じく、基本的には収入が増えると負担も増えます。そのため、繰下げ受給で年金額が増えても、その分多くの税金や社会保険料を負担しなければならない点にも注意が必要です。
繰下げ受給の場合でも、慎重な選択をしよう
繰下げ受給は毎月の年金額が増えるため、非常に魅力的です。とはいえ、安易に繰下げ受給を選択すると、結果的に思ったほど受け取れなかったということになるかもしれません。また、繰下げ受給を待っている間は働くか、貯蓄を切り崩す必要があります。
繰下げ受給は貯蓄状況や自身や家族の健康状況などを考慮し、慎重に選択しましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰下げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー