更新日: 2023.06.12 国民年金

20歳を超えた学生向けの国民年金の学生納付特例制度ってなに?

20歳を超えた学生向けの国民年金の学生納付特例制度ってなに?
皆さんご存じのとおり、日本国内に住むすべての人は20歳になった時から国民年金の被保険者となり、保険料の納付が義務付けられていますが、学生の場合は申請によって在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。
 
この学生納付特例制度とはどのような制度なのか見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

国民年金保険料の学生納付特例制度とは

学生納付特例制度とは、学生の方が申請により保険料の納付が猶予される制度です。
 
この制度を利用すると、将来の年金受給権を得られ、そして“もしもの事故”などによって障害を負った際に障害基礎年金を受けることができます。
 

対象となるのは?

学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下の学生が対象です。所得は家族の方の所得に左右されず、学生本人の所得のみを基準としています。
 
所得は、「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」となります。また、この場合の学生とは、大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する方で、夜間や定時制課程、通信課程の方も対象となりますので、ほとんどの学生が対象です。
 

どのタイミングで申請できるの?

過去の期間については申請書が受理された月から2年1ヶ月前までで、将来の期間はその年度末まで申請できます。例えば、令和5年6月に申請できる最大期間は令和3年5月分から令和6年3月分までです。
 
申請の際、1枚の申請書で申請できるのは国の会計年度である4月から3月までです。申請書ベースでいうと、令和3年度分(令和3年5月~令和4年3月)と令和4年度分(令和4年4月~令和5年3月)、令和5年度分(令和5年4月~令和6年3月)の3枚の申請書が必要です。
 

必要書類は? どこに提出するの?

必要書類等は、

・基礎年金番号通知書のコピーまたは年金手帳(氏名の記載ページ)のコピー等
・学生等であること、または学生等であったことを証明する書類

です。
 
(出典:日本年金機構「国民年金保険料の学生納付特例制度」)
 
提出先は、住民登録をしている市区町村役場の国民年金担当窓口、もしくは、お近くの年金事務所ですが、場合によっては在学中の学校等が学生納付特例の代行事務を行っている学校もあります。
 
また、場合によってはそれ以外に必要書類がありますので提出先に確認して行くことをお勧めします。
 

老齢基礎年金や障害基礎年金との関係は?

老齢基礎年金を受け取るためには、原則として保険料の納付済期間等が10年以上必要で、学生納付特例制度の承認を受けた期間は、この10年以上の期間に含まれます。しかし、老齢基礎年金の額の計算の対象となる期間には含まれません。
 
学生納付特例が承認された期間は、10年以内であれば追納(保険料をさかのぼって納めること)ができますので、追納すれば将来受け取れる年金額が増額できます。可能であれば、追納することをお勧めします。
 
また、障害や死亡といった不慮の事態が生じた場合で、以下に該当する場合には、障害基礎年金や遺族基礎年金が支給されます。

・事故が発生した月の前々月までの被保険者期間のうち保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上ある場合
・事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納がない場合

学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に対象期間になります。
 

まとめ

「学生でお金がない」、「仕組みがよくわからない」等の理由で年金を払わないと、将来の年金受給の問題だけではなく、病気やけがで障害が残った場合に障害基礎年金がもらえなくなってしまうなど多くのデメリットが発生します。
 
保険料を納められないときは、未納のまま放置せず学生納付特例を忘れずに申請しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料 学生納付特例 の申請について(学生でない期間は、免除・納付猶予制度をご利用ください)
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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