更新日: 2023.06.23 国民年金

「年金未納」の手紙がたくさん届きます。引っ越せば届かなくなりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年金未納」の手紙がたくさん届きます。引っ越せば届かなくなりますか?
国民年金保険料を納付せずにいると「催告状」という通知書が届きます。無視していると最終催告状が届き、それでも納付しないでいる場合に届くのが督促状です。引っ越したからといって、これらの通知書が届かなくなるわけではありません。
 
無視を続けていると最悪の場合は財産が差し押さえられてしまう可能性もあるため、保険料の納付が経済的に困難な場合は保険料の免除・納付猶予制度の活用を検討しましょう。
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国民年金の保険料を未納にしているとどうなる?

国民年金への加入と保険料の納付は国民年金第1号被保険者の義務のため、未納のままにすると以下のような経過をたどることになります。
 

・催告状

国民年金の保険料を納付期限(納付対象月の翌月末日)までに納付せずにいると、日本年金機構から「納付勧奨」と呼ばれる納付を促す「催告状」が届きます。
 

・最終催告状

納付できる能力がありながら、複数回の納付勧奨によっても従わない人に届くのが「最終催告状」です。最終催告状が届いた場合は、そこに記載された期限までに納付する必要があります。
 

・督促状

最終催告状に記載された期限までに納付せずにいた場合に届くのが「督促状」です。被保険者に世帯主や配偶者などの「連帯納付義務者」がいる場合には、当義務者にも督促状が届きます。なお、督促状に記載された期限までに納付しないでいると「延滞金」が発生します。
 

・差し押さえ

督促状に記載された期限までに納付せずにいた場合に行われるのが「財産の差し押さえ」です。財産の差し押さえは連帯納付義務者に対しても行われます。
 

・通知書は引っ越しても届く

引っ越しをして住所を変更すれば、保険料の未納に関する通知書が届かなくなるわけではありません。被保険者のマイナンバーと基礎年金番号が結び付いていれば、新しい住所は自動的に日本年金機構にも通知されます。
 
また、マイナンバーと基礎年金番号が結びついていない国民年金第1号被保険者は、市区役所や町村役場への「住所変更届」の提出が必要です。このようなことから、たとえ引っ越したとしても、保険料未納に関する通知書から逃れることはできないでしょう。
 

国民年金保険料を未納にした場合のデメリット

国民年金保険料を未納にしていると、さまざまなデメリットが生じる可能性があるため注意が必要です。
 

・老齢基礎年金が受給できない

老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間(保険料納付済期間と保険料免除期間等)が10年以上必要です。そのため、未納期間が長くなると受給資格期間を満たせなくなり、将来的に老齢基礎年金が受給できなくなる可能性があります。
 

・老齢基礎年金が減額される

保険料の未納があると、その期間(月数)に応じて老齢基礎年金の受給額が減額されます。
 

・障害礎年金や遺族基礎年金が受給できない

国民年金の被保険者やその配偶者などは障害基礎年金と遺族基礎年金の対象者です。保険料が未納のままだと、これらの年金も受給できなくなる可能性があります。
 

・財産が差し押さえられる

前項で紹介したように、督促状に記載された期限までに納付しない場合には、被保険者や連帯納付義務者の財産が差し押さえられる可能性があります。
 

国民年金保険料の免除・納付猶予の申請とは

国民年金保険料の納付が経済的に困難な場合は、保険料の免除・納付猶予の申請が可能です。
 

・保険料の免除

保険料の免除は、被保険者、世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下であったり、失業などが原因で保険料が納付できなかったりする場合に利用できる制度です。申請書を提出して了承されると、保険料の全額、4分の3、半額、4分の1のいずれかの免除が受けられます。
 

・保険料の納付猶予

保険料の納付猶予は、20~50歳未満の被保険者と配偶者の前年所得が一定額以下の場合に利用できる制度です。申請書を提出して了承されると、保険料の納付が猶予されます。
 

経済的に納付が困難な場合は保険料の免除・納付猶予を申請しよう

質問にある「たくさん届く手紙」とは、国民年金の未納者に送付される催告状、特別催告状、督促状のいずれかの通知書でしょう。現時点でどの通知書が届いているのか分かりませんが、いずれにしても無視を続けるのは得策ではありません。
 
納付できる能力があるのなら義務を守り、経済的に納付が困難な場合は早急に保険料の免除・納付猶予を申請しましょう。
 

出典

日本年金機構 日本年金機構の取り組み(国民年金保険料の強制徴収)
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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