更新日: 2023.07.04 その他年金
公的年金の最高額はいくら? 現役時代の年収がいくらならもらえる?
本記事では、平成15年4月以降に厚生年金保険に加入した人を例に、公的年金の最高額の目安と年金額が最高額になる年収などの条件を、年金の種類別にまとめました。年金が最高でいくらくらいもらえるのか、具体的にイメージしてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
老齢基礎年金の最高額は月額6万5000円前後
老齢基礎年金の受給額は、被保険者の収入額に関係なく、国民年金保険料を納めた月数で決まります。最高額(満額)を受給できるのは、20歳から60歳までの40年間(400月)、猶予や免除を受けた月、未納の月を挟まずに保険料を納めた人です。
満額の基礎年金額は物価の変動などに応じて毎年変わりますが、おおむね月額6万5000円~6万6000円前後となります。令和5年度の老齢基礎年金の満額は、月額6万6250円(68歳以上は6万6050円)です。
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付加年金を払っていた人の老齢基礎年金の最高額は月8000円の上乗せ
国民年金保険料と合わせて毎月400円の付加保険料を納めていた人は、老齢基礎年金に月200円を上乗せして付加年金を受け取れます。 付加保険料を40年間(480月)欠かさずに納めていた場合、上乗せされる付加年金額は年額9万6000円、1ヶ月あたりでは8000円の加算となります。
令和5年度の基礎年金額の月額6万6250円に付加年金8000円を合算すると、満額受け取ったときの年金額は月額7万4250円です。付加年金の金額も基礎年金と同様に保険料を納めた月数で決まるため、収入額とは関係ありません。
老齢厚生年金の最高額がもらえる年収は約1200万円、年金月額は約30万円
老齢厚生年金の受給額は、厚生年金保険の加入月数と、毎月の報酬額に応じて決まる「標準報酬月額」、賞与の額から算出される「標準賞与額」で決まります。老齢厚生年金の受給額が最高になるのは、理論上、次の条件に当てはまるときです。
●中学校卒業後すぐの15歳で就職して厚生年金保険に加入し、加入上限年齢の70歳になるまで54年間(648月)の加入期間
●厚生年金保険の加入期間中一貫して、標準報酬月額が最高等級(32等級・65万円)に達する63万5000円以上の給与を受け取る
●厚生年金保険の加入期間中一貫して、年に3回、標準賞与額が上限に達する150万円以上の賞与を受け取る
上記の条件を老齢厚生年金の受給額を求める計算式
【平均標準報酬額(※)×5.481÷1000×厚生年金保険加入月数】
に当てはめると、受け取れる年金額(年額)は次のように計算できます。
※平成15年4月以降の加入期間について、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を加入期間の月数で割った額。
平均標準報酬額=(標準報酬月額65万円×648月+賞与150万円×3回×54年間)÷648月=102万5000円
老齢厚生年金の金額(年額)=平均標準報酬額102万5000円×5.481÷1000×厚生年金保険加入月数648月=364万480円
1ヶ月あたりの受給額は、約30万3000円となる計算です。満額の老齢基礎年金+付加年金約7万4000円と合わせると、老齢年金受給額は約37万7000円となります。
また、このときに必要な年収を計算すると、厚生年金保険の加入期間を通して、常に月給63万5000円、賞与150万円×3回、合計1212万円以上の年収をもらい続けることが、最高額の老齢厚生年金を受け取る条件です。
さらに繰下げ受給を選択すると年金額は約8割増しに
65歳から老齢年金を受給する場合の理論上の最高額は、約37万7000円です。繰下げ受給を選択すると、老齢年金の受給額はさらに増えます。増額率が最高となる75歳まで年金受給を繰下げると、年金額は84%増の約69万4000円まで増える計算です。
年金の理論上の最高額は年額800万円を超える
中学校卒業後すぐに働きはじめたと仮定して公的年金を計算すると、最高額は一貫して年収1212万円をもらい続けたときの月額約69万4000円となります。年額に直すと800万円を超える高収入です。
ただし、中卒の初任給が1200万円を超えるケースはほとんどないと考えられるため、これはあくまでも理論上の数字でしかありません。
また、現役時代に一貫して1200万円超の年収を稼いでいた人も、年金額は800万円台で頭打ちだということでもあります。年金収入は現役時代の年収よりも大きく減ることを前提に、老後に備えて資金を準備しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー