更新日: 2023.07.20 厚生年金

同じ「月給20万円」でも、交通費が高いと手取りが「低くなる」って本当!? 社会保険料について解説

同じ「月給20万円」でも、交通費が高いと手取りが「低くなる」って本当!? 社会保険料について解説
同期入社で月給も同じ20万円のAさんとBさんですが、Aさんだけ手取りが低くなっている場合があります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。それには、社会保険料が関係しています。
 
そこで、社会保険料が決まる仕組みを紹介します。あわせて、社会保険料を少しでも安くし、手取りを多くするためにはどうすればよいか、解説していきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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社会保険料が決まる仕組みとは?

まず、給与を表す言葉には「額面」と「手取り」があります。額面とは、残業代や交通費も含めた金額のことです。手取りとは、額面から社会保険料や税金を引いた金額のことです。その言葉通り、実際に手にできる金額になります。
 
次に、額面から差し引かれることになる社会保険料は「標準報酬月額」と「標準賞与額」で決まります。分かりやすく言うと、標準報酬月額とは毎月の給与のことで、標準賞与額とはボーナスのことです。社会保険料は「(標準報酬月額×保険料率)+(標準賞与額×保険料率)」の式で求めます。標準報酬月額と標準賞与額が高くなればなるほど、社会保険料も高くなる仕組みです。
 
同期入社で月給も同じ20万円のAさんとBさんであれば、手取りも同じではないかと思うかもしれません。というのも、先に述べた通り、額面から差し引かれる社会保険料は毎月の給与で決まるからです。
 
しかし、社会保険料の計算の元になる標準報酬月額には「基本給」だけでなく、「通勤手当」「残業手当」「能率給」「奨励給」「勤務地手当」「家族手当」「住宅手当」なども含まれます。ということは、交通費が高いと、標準報酬月額も高くなってしまうのです。標準報酬月額が高いと社会保険料も上がります。その結果、手取りが少なくなってしまうのです。
 

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社会保険料を安くするには?

標準報酬月額は32等級に分かれ、「1等級は8万8000円」「32等級は65万円」です。ただし、標準報酬月額の対象となるのは毎月ではなく、4~6月のみです。この3ヶ月間の報酬月額を基に毎年9月に社会保険料を決めます。ということは、この3ヶ月間の標準報酬月額を下げられれば、手取りも増えることになります。
 
社会保険料を減らすためには、4~6月だけ「できるだけ残業をしないようにする」「自転車や徒歩通勤にすることで交通費を減らす」などの方法が考えられるでしょう。
 
社会保険料が減れば手取りも増えるため、よいことのように思えるかもしれません。しかし、社会保険料のなかに含まれる「厚生年金保険料」は老後に受け取る年金の基となります。厚生年金は老後の生活を支える大きな柱です。社会保険料の負担を減らすのは決してよいことばかりではない点も押さえておきましょう。
 

交通費が高いと額面から差し引かれる社会保険料も高くなる!

手取りとは、額面から社会保険料や税金を引いた金額のことです。社会保険料の額を決定する標準報酬月額のなかには交通費も含まれています。そのため、交通費が高いと、標準報酬月額も高くなってしまうのです。
 
その結果、AさんとBさんの給与が同じだったとしても、交通費が高いAさんのほうが低い手取り額となってしまいます。とはいえ、社会保険料の中に含まれる「厚生年金保険料」は老後の生活を支える大きな収入源となります。手取りは少なくなっても、社会保険料を多く支払うことにはメリットもあると覚えておきましょう。
 

出典

日本年金機構 厚生年金保険の保険料

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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