とうとうパート先から、厚生年金への加入を打診された! 「106万円の壁」を乗り越え厚生年金に加入するメリットは?
配信日: 2023.08.02
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「106万円の壁」とは?
社会保険の被扶養者になるかどうかの境目として、いわゆる「130万円の壁」と「106万円の壁」があります。まず「130万円の壁」とは、年収が130万円超になると配偶者の扶養範囲外になってしまう目安のことです。扶養範囲から外れてしまえば、自分自身で社会保険料を負担することになります。
一方、「106万円の壁」については令和6年10月より制度が変わりました。新たな制度では、101人以上の規模の企業でパートタイムとして働いている人が、年収106万円以上になり、なおかつ以下の要件に当てはまる場合、社会保険に加入することになります。
加入の要件とは「週の所定労働時間が20時間以上」「31 日以上の雇用見込みがないこと」「学生ではないこと」のいずれかに該当する場合となります。ただし、「学生」に関しては、状況に応じ、さまざまにケースが異なるため、政府公式ページで確認が必要です。
ちなみに、現在は「106万円の壁」に関する社会保険の適用範囲は「厚生年金の被保険者数が101人以上の規模の企業」という条件ですが、令和6年10月からは、さらに「厚生年金の被保険者数が51人以上の規模の企業」に変わります。現在は配偶者の扶養範囲内であっても、将来的に扶養範囲から外れてしまう可能性もあるのです。
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厚生年金加入のメリットとは?
配偶者の扶養範囲外になってしまうと、社会保険料を支払うことになります。厚生年金の毎月の保険料額は「標準報酬月額×保険料率」、賞与の保険料額は「標準賞与額×保険料率」の計算式から求め、保険料は会社が、その半分を負担します。
しかし、支払う分、手取りが減ってしまうため、厚生年金加入へのメリットを感じない人もいるかもしれません。しかし、厚生年金の加入には、長い目で見ると大きなメリットがあります。
まず、老後に受け取ることができる年金の増加です。年金制度は2階建て構造です。一度も厚生年金保険に加入していない、または、厚生年金を受ける条件を満たしていない場合で被保険者に扶養されている状態だと、老後は国民年金しか受け取ることができませんが、自分で保険料を支払い、第2号被保険者となると、老後、国民年金だけではなく、厚生年金も受け取ることができます。
また、厚生年金の分の「障害年金」「遺族年金」の給付を受けることができるようになります。「障害年金」とは、病気やけがで障害を負った場合、障害の程度に応じて支払われる年金のことです。
「遺族年金」とは、国民年金または厚生年金保険の被保険者、または被保険者であった方が亡くなった場合、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金のことです。被保険者に扶養されている場合、「障害基礎年金」「遺族基礎年金」のみですが、厚生年金に加入すると、プラスで「障害厚生年金」「遺族厚生年金」も受け取ることができます。
老後のために厚生年金に加入しよう
厚生年金に加入すると、保険料を支払う分、手取りの給料が減ってしまいます。そのため、厚生年金に加入することにメリットを感じないという人もいるかもしれません。
しかし、老後に受け取ることができる年金が増え、さらに、厚生年金の分の「障害年金」「遺族年金」の給付も受けることができます。パート先から、厚生年金への加入を打診されたら、こうしたメリットも踏まえ、検討してみてください。
出典
日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内
日本年金機構 適用事業所と被保険者
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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