更新日: 2023.08.02 その他年金

【平均寿命】男性81歳、女性87歳。年金を65歳から受けとったら総額はいくらになる?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

【平均寿命】男性81歳、女性87歳。年金を65歳から受けとったら総額はいくらになる?
年金は基本的に65歳から受給できます。現役時代に払い続けた保険料分はしっかり元を取りたい、そう考えている人も多いのではないでしょうか。また、最終的にいくらくらい年金を受け取れそうか、気になっている人もいるかもしれません。
 
そこで今回は、平均寿命まで生きた場合、受け取ることのできる年金額はいくらになるのか、詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

男性の平均寿命は81歳、女性の平均寿命は87歳!

内閣府が発表した「令和5年版高齢社会白書」によると、男性の平均寿命は81.4歳、女性の平均寿命は87.4歳です。
 
つまり、65歳から年金を受給するのであれば、男性は約16.4年(およそ197ヶ月)、女性は約22.4年(およそ269ヶ月)年金を受給できることになります。
 

老齢基礎年金のみの場合

まずは老齢基礎年金のみの場合を見てみましょう。
 
令和5年度における老齢基礎年金の受給額の計算式は、2023年度、67歳以下の新規裁定者の場合、「79万5000円×{保険料納付済月数+(保険料全額免除月数×2分の1)+(保険料の4分の1納付月数×8分の5)+(保険料の2分の1納付月数×8分の6)+(保険料の4分の3納付月数×8分の7)}÷{40年(加入可能年数)×12}」です。
 
20歳から60歳まで満額の保険料を納めている人の場合、受給額は年額で79万5000円、月あたり6万6250円になります。この額を、先ほどの平均寿命に当てはめると、男性は「6万6250円×197ヶ月」で1305万1250円、女性は「6万6250円×269月」で1782万1250円を受け取れる計算になります。
 
ちなみに、令和5年度の国民年金保険料は毎月1万6520円です。この額を480ヶ月収めたとすると792万9600円なので、平均寿命まで生きれば充分に元が取れることが分かります。
 

現役時代厚生年金に加入していた場合

それでは、現役時代に厚生年金に加入していた人はどうなるのでしょうか。
 
厚生年金の受給額の大部分を占める報酬比例部分の計算式は、平成15年4月以降に加入していた場合「平均標準報酬月額×5.481÷1000×加入月数」です。大学卒業後すぐに就職して60歳で定年するまで勤めたとすると、加入月数は456ヶ月です。
 
年金額が決まっている老齢基礎年金とは異なり、受給額は、現役時代にいくら保険料を収めていたかがポイントです。厚生年金の保険料は、平均標準報酬額がいくらかによって決まります。今回は便宜上、国税庁が令和3年に行った調査に基づいて平均年収額の443万円で計算してみましょう。
 
年収が443万円の場合、月収は約37万円になります。その場合、等級は22で標準報酬月額は36万円です。この額を先ほどの式に当てはめると「36万円×5.481÷1000×456ヶ月」なので年額89万9760円、月あたり7万4980円です。
 
それでは、7万4980円を平均寿命まで受給した場合、総額はいくらになるのでしょうか。
 
男性は197ヶ月なので1477万1060円、女性は269ヶ月なので2016万9620円になります。ちなみに、年収が443万円の場合の厚生年金保険料額は折半額で3万2940円、456ヶ月納めた場合の総額は1502万640円です。
 
男性の平均寿命まで生きた場合は「老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計で1305万1250円+1477万1060円」で2782万2310円、女性の平均寿命まで生きた場合は「1782万1250円+2016万9620円」で3799万870円なので、この場合も十分に元が取れることになります。
 

実際に受け取れる金額は条件によって異なる!

男性の平均寿命まで生きた場合、受け取れる年金の総額は老齢基礎年金が1305万1250円、老齢厚生年金が1477万1060円です。女性の平均寿命まで生きた場合には、老齢基礎年金は1782万1250円、老齢厚生年金は2016万9620円受け取れます。
 
もちろん、実際にいくら受け取ることができるのかは、保険料を納めた期間や保険料額、また税額によって異なります。
 

出典

内閣府 令和5年版高齢社会白書
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 一般・坑内員・船員の被保険者の方(令和5年度版)
国税庁 令和3年分 民間給与実態統計調査
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
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