更新日: 2023.08.22 国民年金

国民年金を20歳から払い続けていますが、将来は「6万円」程度しか受け取れないのですか? 老後はどうすればいいでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

国民年金を20歳から払い続けていますが、将来は「6万円」程度しか受け取れないのですか? 老後はどうすればいいでしょうか?
国民年金の保険料をきちんと納付していても、それだけで老後の経済的な不安を払しょくできるとは限りません。実際に、月々6万円ぐらいしか老齢基礎年金を受け取れないと聞き、どうすればいいのか悩んでしまうケースもあるでしょう。そこで今回は、国民年金にまつわる基本を説明し、受給額や将来に向けての対策も紹介します。
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そもそも国民年金とは? 厚生年金とはどう違うの?

まず国民年金がどのようなものかを把握することが大事です。厚生年金についても紹介しますので、この機会に違いを確認しましょう。
 

・国民年金

国民年金の制度の目的は老後の健全な生活を維持することであり、日本では、20歳になると国民年金保険に加入することが義務となっています。原則的には60歳まで保険料を納め、65歳から老齢基礎年金が支給される仕組みです。加入者にはいくつかの区分があり、自営業者や農業の従事者など、自分で保険料を納付している人は第1号被保険者です。
 

・厚生年金

厚生年金保険の対象となる企業や公共団体の従業員が加入します。従業員を常時雇っている法人や、5人以上を雇用している個人事業所が対象です。国民年金を含む形で構成されており、こちらの加入者は第2号被保険者に分類されます。保険料の支払いは、勤務先と折半する形で給与から天引きされるのが一般的です。
 

65歳以上の受給額や平均支出

将来支給される老齢基礎年金の金額は、国民年金の保険料を納めた月数などによって変わります。20歳から60歳まで未納することなく納めた場合、満額の受け取りが可能です。その金額は年度によって異なり、令和5年は1ヶ月あたり6万6250円で令和4年は6万4816円でした。
 
現時点で将来の受給額を考える場合、満額を受け取る予定なら、これぐらいの金額をイメージしておくと良いでしょう。一方、65歳以上の単身無職世帯の平均支出の月額は、総務省がまとめた令和4年の家計調査年報に掲載されています。消費支出だけでも14万3139円で、これに非消費支出の1万2356円が加わり、合計で15万円以上の金額となっています。
 
なお、調査結果の消費支出のうち住居関連は1万2746円にすぎませんが、これはあくまでも、持ち家で賃貸の費用が不要な世帯も含めた平均値である点に注意が必要です。賃貸住宅で暮らすなら、プラス数万円の負担が必要になるでしょう。
 

老齢基礎年金だけで支出をまかなえるのか?

上記のように、基礎年金の満額が6万円程度であるのに対し、支出に関しては平均で14万円以上が必要となっています。つまり、満額を受け取れる人でも、収支は8万円ほどマイナスになる見通しです。
 
もちろん、働き続けるという選択肢もありますが、健康状態などの事情で働けない場合もあるでしょう。そのようなケースも想定し、現役時代から貯蓄をしておくことが望まれます。株式や不動産投資なども視野に入れて、早めに資産形成を始める意識を強く持ちましょう。また、年金の繰下げ受給で基礎年金を多く受け取るなど、公的な制度の利用も老後の収入アップに有効です。
 

収支を予想して老後に向けた準備を!

65歳以降の暮らしを経済的に安定させたいなら、最初に国民年金の仕組みを正しく理解しなければなりません。満額の老齢基礎年金を受給できる場合でも、それしか収入源がない場合、生活費は大幅に不足してしまいます。平均支出を定期的にチェックし、どれくらい足りないのか検討することが大事です。収支の予想を元に心配せずに老後を迎えられるよう、早いうちから準備を進めましょう。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)家計の概要

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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