更新日: 2023.09.04 その他年金

もうすぐ年金生活になります。年金にも税金はかかるのでしょうか? 確定申告は必要ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

もうすぐ年金生活になります。年金にも税金はかかるのでしょうか? 確定申告は必要ですか?
老後生活のための大きな収入源となる老齢基礎年金や老齢厚生年金は、税金がかかるということを理解していない人は意外に多いのではないでしょうか。額面どおりの受け取りが可能だと思っていたにも関わらず、実際の年金額を見て落胆する人もいることでしょう。
 
本記事では、年金に課せられる税金について詳しく解説します。これから年金生活を迎えたり、老後資金の計画を立てていたりする人は、ぜひ参考にしてください。
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年金は課税対象

公的年金は、老齢基礎年金や老齢厚生年金に分類されており、原則として65歳から受け取れます。一律ではなく、年金の受取額によって税額が異なる仕組みです。公的年金収入は「雑所得」の扱いとなり、一定の金額を超える場合は税金がかかります。年金生活者だからといって税金の支払いがなくなるわけではないので注意してください。
 
なお、国民年金や厚生年金の被保険者や被保険者だった人が死亡した際に、その人によって生計を維持されていた遺族が受け取れる遺族年金、病気やけがで生活や仕事などが制限された人は受け取れる障害年金は非課税となるため税金はかかりません。
 

年金に課される税金は所得税と住民税の2種類

公的年金にかかる税金の種類は、所得税 (復興特別所得税を含む) と住民税です。老齢基礎年金や老齢厚生年金で受け取る収入は雑所得に区分され、課税対象ではあるものの全額に対して課税されるわけではありません。公的年金の収入から、公的年金等控除や基礎控除、各種控除を差し引いた金額に対して、課税される仕組みになっているのです。

【年金生活者の課税所得の計算式】

●公的年金の収入金額-公的年金等控除額-基礎控除額-その他各種控除額

老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給する際の年齢が65歳未満の人は、公的年金の収入が108万円以下の場合、課税対象となりません。公的年金の収入金額から、公的年金控除額(60万円)と基礎控除額(48万円)を合算した金額を差し引くと、課税対象の所得が0円になるからです。
 
65歳以上の年金受給者については、公的年金の収入金額が158万円以下の場合、65歳未満のケースと同様に公的年金の収入金額から公的年金控除額(110万円)と基礎控除額(48万円)を合算した金額を差し引くと課税対象所得が0円となって非課税扱いになります。
 
控除には、社会保険料控除や配偶者控除、扶養控除といったものがあります。これらの控除を使うことで、65歳未満の人は108万円、65歳以上の人は158万円を超える公的年金収入があったとしても、非課税扱いになる可能性が高いです。
 

年金収入にも確定申告が必要

年金収入があるからといって、必ず確定申告が必要なわけではありません。確定申告が必要になるケースと不要なケースがあり、多くの場合は確定申告を行う必要はない可能性が高いです。
 
確定申告が必要になるケースは、以下を参考にしてください。

●公的年金などの収入金額が年間400万円を超えている
●年金以外の所得(給与や不動産収入など)が年間20万円を超えている
●2ヶ所以上から年金を受け取っている人
●医療費控除や生命保険料控除などの控除を受けている人

公的年金などの収入金額が年間400万円以下、年金以外の所得が20万円以下など、確定申告が不要な場合でも、確定申告を行うことで源泉徴収された税金の還付を受けられる可能性が高いです。
 
扶養親族がいるのに、扶養親族等申告書の提出をしていなければ配偶者控除や扶養控除が適用される場合があります。また、支払った医療費が10万円を超えている場合は医療費控除、生命保険や個人年金、地震保険などの保険料を支払っている場合は、生命保険料控除や地震保険料控除の適用対象です。
 

老後に受け取る年金には税金がかかる

老齢基礎年金や老齢厚生年金といった公的年金は雑所得に該当し、所得税や住民税の課税対象です。65歳未満の方は公的年金の収入金額が108万円以下、65歳以上の人は公的年金の収入金額が158万円以下であれば、税金はかかりません。また、公的年金などの収入金額が年間400万円以下、年金以外の所得が20万円以下なら確定申告を行う必要がありません。
 
公的年金は老後生活をする際の重要な収入源です。税金がかかるケースがあること、適用される控除などについても、あらかじめ理解を深めておいてください。
 

出典

国税庁 高齢者と税(年金と税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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