更新日: 2023.09.14 その他年金

年金の「繰下げ受給」は取り消すことができるの? 振り込みは最短で何日後?

年金の「繰下げ受給」は取り消すことができるの? 振り込みは最短で何日後?
年金の受給資格は、受給資格期間が10年以上ある方が65歳を迎えると得られますが、75歳まで受給の繰下げが可能です。65歳を超えても再就職などで働く予定がある方は、繰下げ受給をしたほうが将来受け取る年金の額を増やせます。
 
しかし、事情があって繰下げ受給を取り消し、年金受給を開始したいといったケースもあるでしょう。本記事では、年金の繰下げ受給を取り消して受給を開始する方法や、受給の申請をしてから振り込まれるまでの流れを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

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サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

年金の繰下げ受給とは?

老齢基礎年金、および老齢厚生年金は65歳から受給資格が得られます。しかし66歳以後75歳まで、年金を繰下げることも可能です。繰下げた期間によって年金額は増額され、その額は一生変わりません。
 
また、老齢厚生年金と老齢基礎年金は別々に繰下げられます。ただし、特別支給の老齢厚生年金に繰下げ制度はありません。自分がどの年金の受給資格があるのか、確認しておきましょう。
 
なお、年金加算額は、1ヶ月に0.7%ずつ増加していき最大84%まで増額されます。ただし、昭和27年4月1日以前に生まれた方は、70歳までしか繰下げ受給ができません。また、65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日までに、障害給付・遺族給付を受け取る権利がある場合、繰下げ受給の申請はできません。
 

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繰下げた年金を受給したい場合の手続き方法

年金は繰下げ受給に限らず、自分で年金の受給時期を決定できます。年金の繰下げ受給を希望する場合は、65歳に到達する3ヶ月前に、日本年金機構より送付された年金請求書を提出しなければ、年金は自動的に繰下げ待機の状態となります。
 
66歳以降で年金を繰下げ受給したい場合、「年金請求書」「老齢年金の受取方法確認書」「支給繰下げ申出書」の3つを最寄りの年金事務所、または街角の年金相談センターに提出してください。手続きに必要な書類は、日本年金機構のホームページからダウンロードができます。
 
なお、繰下げ受給の申請をした後で「やはり取り消したい」といったことはできません。繰下げ受給をした時点で繰下げ増額率が決まります。
 

年金の請求を行ってから年金が振り込まれる期間

年金請求を行い、日本年金機構が審査をして年金の支給が決定すると「年金証書・年金決定通知書」が送付されます。なお、2つ以上の年金を受ける権利が生じた場合や、年金給付に調整がある場合は、決定に時間がかかるので注意しましょう。
 
請求からおよそ1~2ヶ月後に、「年金証書・年金決定通知書」が送付されます。また、そこから1~2ヶ月後に「年金振込通知書」「年金支払通知書」または「年金送金通知書」が送付され、年金の受け取りが開始されます。つまり、請求をしてから初回振込まで3~4ヶ月かかるとされます。振込額は、原則として受取開始年月から直前の受取月の前月分までです。
 
なお、特別な事情があってもスケジュールは配慮されないので、注意してください。年金は2月、4月、6月、8月、10月、12月の偶数月の15日が支払日ですが、初回受け取りの場合は奇数月になるケースもあります。
 

手続きは早めに行う

上述のとおり、年金を請求してから初回の振り込みまでは時間がかかります。例外はないので、年金の受給が必要になった場合は、早めに手続きを行いましょう。
 
また、老後は病気やけがによる入院や家の修繕など、何かとまとまった額のお金が急に必要になるケースも増えていきます。繰下げ受給をするつもりで、65歳のときに年金の請求を行わなかった場合でも、65歳にさかのぼって受け取ることも可能です。
 
なお、年金受給の権利は5年過ぎると時効となり消滅するため、受給時期には注意が必要です。年金の支給額は繰下げるほど多くなりますが、急に働けなくなることもあります。したがって、いざというときに備えて年金の支給申請をすぐに行えるように、最新の書類を準備しておくのがおすすめです。
 

年金受給の手続きは時間に余裕をもって行おう

年金の受給は、申請したからといって即日可能ではありません。一般的には、申請してから振り込みまでに3ヶ月以上必要とされます。また、65歳になっても年金申請を行わなければ、年金は自動的に繰下げ待機になってしまいます。
 
65歳になる3ヶ月前までに、何歳まで年金を繰下げるのか、その間の収入をどう確保するのか、計画を立てておきましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 老齢年金請求書の記入方法等
日本年金機構 老齢年金の請求手続き
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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