30歳の子どもがフリーターで年金未納です。同居の場合、親にも「支払い義務」はありますか? 私の財産も「差し押さえ」になるのでしょうか?
配信日: 2023.09.20
本記事では、同居する30歳フリーターの子どもが国民年金を支払っていない場合、親の財産が差し押さえられるなどの影響があるかどうかを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国民年金保険料の納付義務者
日本国内に居住する20歳以上60歳未満の人は国民年金に加入する義務があり、保険料を納付しなければなりません。国民年金保険料は、本人はもちろん、場合によっては世帯主や配偶者にも連帯納付義務があるのが特徴です。
国民年金法88条第2項では「世帯主は、その世帯に属する被保険者の保険料を連帯して納付する義務を負う。」とされ、第3項で「配偶者の一方は、被保険者たる他方の保険料を連帯して納付する義務を負う。」と規定されています。
国民年金は無職の人や専業主婦(夫)なども被保険者となるため、保険料の納付は個人だけでなく世帯単位で行うことが義務であると規定されているからです。
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子どもの保険料未納は親に影響を与える?
今回のように同居する子どもが保険料を納付していない場合、親への影響はあるのでしょうか。国民年金法88条では世帯主も連帯納付義務があるとされているため、子どもが自分で納付せず未納状態が続くと、世帯主の親にも支払い義務が発生する可能性があります。
国民年金法96条で納付義務者に対して督促状を発することができると規定されており、96条4項において万一の際は強制的に保険料の徴収が可能となる旨が記載されています。つまり、同居する子どもが保険料を納付せず支払督促などにも全く応じない場合は、世帯主の親の財産も差し押さえの対象となるおそれがあります。
保険料の納付が難しい場合は免除や納付猶予手続きを行う
国民年金保険料を負担しても将来年金を受け取れないのではないかといった不安もあるかもしれませんが、年金は原則65歳以降にもらえる老齢年金だけではありません。病気やけがをした際には障害年金、被保険者が亡くなった際には家族が遺族年金を受け取れる可能性があります。
年金未納の状態が続くと受給資格を満たさず、万一の際に各種年金を受け取れなくなるおそれもあります。いざというときに備える保険の意味でも、国民年金保険料の納付は重要です。
国民年金保険料の納付が難しい場合は免除や納付猶予手続きを行いましょう。これらの手続きを行って受理されると老齢基礎年金や障害基礎年金、遺族基礎年金の受給資格期間に算入されるため、期間が足りず年金を全くもらえないリスクを軽減できます。
免除の場合は満額納付時に比べると低くなりますが将来の年金額へ反映される一方で、納付猶予だと将来の年金額へ反映されず、追納する必要があるので注意しましょう。
まとめ
今回は同居する30歳フリーターの子どもの国民年金保険料の未納付が続いた場合、世帯主である親の財産が差し押さえられるなど影響があるのかを解説しました。
「国民年金の納付は本人の問題」として放置した状態にすると、年金事務所から世帯主の親宛に催告等の書類が送付されることもあります。子どもが年金を納付しない場合は、役所や年金事務所へ相談を勧めてみるのも1つの方法です。
出典
e-Gov法令検索 国民年金法88条
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー