夫が「年金受給前」に死亡してしまいました。ずっと払ってきた保険料は「無駄」だったのですか?

配信日: 2023.10.01 更新日: 2023.10.02

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夫が「年金受給前」に死亡してしまいました。ずっと払ってきた保険料は「無駄」だったのですか?
家族(配偶者)が年金受給前に亡くなってしまった場合、払い続けてきた年金は掛け捨てになってしまうのでしょうか? 年金を受け取る前に亡くなった場合には、遺族へ遺族年金が支払われます。
 
本記事では、遺族年金について試算をまじえて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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家族(配偶者)が支払ってきた年金は無駄になるの?

亡くなった人が支払ってきた年金保険料は無駄になりません。亡くなった人が加入していた年金の種類・受け取る遺族の年齢・子どもがいるかなど様々な状況に応じて、遺族が受け取り申請できる遺族年金があります。
 
遺族年金には受け取り要件があり、要件を満たしている期間内は受け取り続けることができます。しかし、残された配偶者が再婚したり、子どもが一定の年齢になり受け取り要件を満たさなくなった場合には遺族年金は打ち切られます。
 

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遺族年金をもらえる対象は

遺族年金は、残された家族の生活を保障することを目的に支払われる年金です。遺族年金を受け取るには、亡くなった人の要件(老齢基礎年金の受給資格を満たしていること)・受け取る遺族の要件・年金保険料納付した期間の3つの要件の3つの要件を満たしている必要があり、図表1のとおりです。
 
図表1

亡くなった人 遺族年金の種類 受取対象になる人
国民年金第1号被保険者 遺族基礎年金 18歳の3月31日を迎えていない子ども、または受給対象となる子どもを持つ配偶者
寡婦(かふ)年金 60歳以上65歳未満で、結婚10年以上の妻
死亡一時金 遺族基礎年金の対象では無い配偶者と子ども、祖父母・父母・兄弟姉妹・孫の中の1人
国民年金第2号被保険者 遺族厚生年金 18歳の3月31日を迎えていない子ども、配偶者、祖父母・孫の中の1人
遺族基礎年金 18歳の3月31日を迎えていない子ども、または受給対象となる子どもを持つ配偶者
国民年金第3号被保険者 遺族基礎年金 要件を満たしていれば支給される場合もあり

日本年金機構 遺族基礎年金・遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)を基に作成
 
遺族年金も老齢年金と同じく遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つがあり、亡くなった人が厚生年金加入者だった場合には遺族に遺族基礎年金と遺族厚生年金が支払われます。(この他に、労災保険から支給される遺族補償等年金もあります)
 

家族への遺族年金はいくら支給されそう?

遺族年金で基本となる、遺族基礎年金での試算例を2つあげます。
 
<遺族基礎年金(令和5年度)の年額計算式>
遺族基礎年金=基礎年金額79万5000円+18歳未満の子どもがいる場合の加算額(18歳の3月31日を迎えたら加算されません)
 
1:対象者が配偶者と子ども2人(16歳と12歳)の場合
基礎年金額79万5000円+(子の加算額22万8700円×2人)=125万2400円
 
2:対象者が配偶者と子ども2人だが、子ども1人が18歳以上(19歳と15歳)の場合
基礎年金額79万5000円+(子の加算額22万8700円×1人)=102万3700円
 
遺族基礎年金は年金保険料の納付期間や加入期間にかかわらず、基礎年金額と子どもの加算額の合計金額が受け取れます。しかし、子どもがいない配偶者だけの場合は支給されず、死亡一時金または寡婦年金のどちらかを選択することになります。遺族厚生年金は亡くなった人の加入期間と報酬金額によって年金額が決まります。
 

遺族基礎年金の受け取り対象では無い場合は?

遺族基礎年金の受け取り対象では無い場合には、死亡一時金が支払われます。金額は国民年金保険料の納付済み期間に応じて段階的に金額が上がってゆきます。(3年以上5年未満で12万円、35年以上で32万円です)死亡一時金は1回だけ支払われるお金で、亡くなった人と生計を同じくしていた人の1人に限ります。
 

まとめ

家族(配偶者)が年金を受け取る前に亡くなった場合、加入していた年金と年金保険料を収めていた期間によって、遺族にまとまった金額の年金または一時金が支払われます。もし、遺族年金などで生活費が足りないと思う場合にはどのように不足分をカバーするか検討しておくのも良いでしょう。
 

出典

日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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