更新日: 2023.10.15 その他年金

30歳、将来の年金額は「月3万円」とねんきん定期便に書いてありました。老後がかなり不安なのですが、どうすれば良いでしょうか…?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

30歳、将来の年金額は「月3万円」とねんきん定期便に書いてありました。老後がかなり不安なのですが、どうすれば良いでしょうか…?
老後生活を不安なくのんびり過ごしたいと考えるとき、気になることの1つが生活費ではないでしょうか。
 
一般的に、老後に得る収入の核となるものが年金ですが、毎月の年金額が少ない場合、生活していけるだろうかと不安になるかもしれません。月3万円の年金では余裕のある生活はできません。
 
そこで、本記事では、現時点での将来の年金額が少なすぎる場合、その理由やどのような対策ができるのかということを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

年金の受給額は、その時点までの納付期間や納付総額で算出されている

ねんきん定期便に記載されている現時点での将来の年金額は、それまでに年金保険料を納付した期間と総額によって算出されています。
 
たとえば、大卒で20~22歳まで国民年金のみ、就職後に23~30歳(現在)まで厚生年金に加入したとしましょう。この場合、国民年金のみ加入していた期間と厚生年金に加入している期間を合わせて約10年間です。
 
30歳時点では納付期間も納付総額もまだ十分ではないため、受給できる年金額も年間36万円(1ヶ月当たり3万円)と少なくなる可能性もあるのです。
 

・60歳まで厚生年金に加入すると約4倍の受給額になる

次に、学生時代の20~22歳までは国民年金のみ加入、大学卒業後に就職し、60歳まで厚生年金に加入、年収350万円と仮定します。こちらの条件で厚生労働省の「公的年金シミュレーター」で年金見込み受給額を算出しました。
 
同条件の場合、65歳からの年金受給額は年間147万円(1ヶ月当たり12万2500円)と、30歳時点での年金見込み受給額の約4倍になります。
 

老後に余裕のある生活を過ごすには

年収350万円が60歳まで変わらなければ、1ヶ月当たり約12万円の年金が受給できることは前述しました。この受給額で余裕のある生活を送れるかどうかは、どのような環境や家族構成で生活を送っているのか、貯蓄がどの程度あるのかなどにより異なります。
 
ただ、より余裕のある生活をしたい場合は、年金保険料を満額きちんと納付する以外の対策もとっておく必要があるでしょう。
 

・年金を繰下げ受給する

年金を65歳から受給するのではなく、66~70歳までの間で受給開始することで本来よりも増額した年金額を受け取れます。受給額は繰り下げた月数ごとに0.7%加算されます。増額率は日本年金機構の「年金の繰下げ受給」の増額率早見表で確認可能です。例えば、68歳11ヶ月で繰下げ受給する場合の増額率は32.9%となっています。
 

・老後も働いて厚生年金に加入する

老後も働いて厚生年金に加入することで老齢厚生年金の受給額を増やすことができます。なお、特別支給の老齢厚生年金、老齢基礎年金や老齢厚生年金は働きながらでも受給可能です。
 
ただし、厚生年金に加入している場合や厚生年金保険の加入事業所で70歳以降も働く場合は、給料と厚生年金の受給額の合計が1ヶ月当たり48万円(2023年現在)を超えないようにしましょう。超えてしまうと、受給額の一部もしくは全額が支給停止になります。
 

・iDeCoやNISAをはじめる

将来的に年金以外の収入を得るために、「iDeCo」や「NISA」をはじめるのもひとつの方法です。
 
「iDeCo」は個人型確定拠出年金を指し、国民年金や厚生年金以外の個人年金を受給できます。65歳まで掛金を拠出でき、60歳以降であれば受給できるうえ、掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となります。注意点として、iDeCoの年金は60歳になるまで、原則として引き出せません。
 
「NISA」は専用の口座で一定金額の範囲内で資産運用するもので、得た利益は非課税です。現行のNISAでは成年が加入できるのは「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類です。一般NISAは株式や投資信託を年間120万円まで購入可能で、最大5年間非課税です。つみたてNISAは一定の投資信託を年間40万円まで購入可能で、最大20年間非課税にできます。
 

年金の満額納付とほかの対策を併用して余裕のある老後生活を目指そう

30歳時点で「ねんきん定期便」に記載されている将来受給できる年金額が3万円だとしても、それは年金の納付期間や納付金額が十分ではないからです。60歳まで満額納付し続ければ、1ヶ月当たりの受給額を大幅に増額できます。
 
また、老後も厚生年金に加入して働き続けたり、iDeCoやNISAなど資産活用をはじめたりすれば、さらに余裕のある老後生活を過ごすことも可能です。自分に合った方法を見つけ、計画的に老後の収入増加を目指しましょう。
 

出典

厚生労働省 公式年金シミュレーター
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集