更新日: 2023.10.16 その他年金
20代から始めた「個人年金」は60歳と65歳、給付開始年齢はどちらがお得?
個人年金保険は、保険会社の商品ごとに決められた範囲(60歳から75歳程度)であれば給付開始年齢を自分で選ぶことが可能となっています。
執筆者:宿輪德幸(しゅくわ のりゆき)
CFP(R)認定者、行政書士
宅地建物取引士試験合格者、損害保険代理店特級資格、自動車整備士3級
相続専門の行政書士、FP事務所です。書類の作成だけでなく、FPの知識を生かしトータルなアドバイスをご提供。特に資産活用、相続トラブル予防のため積極的に「民事信託(家族信託)」を取り扱い、長崎県では先駆的存在となっている。
また、離れて住む親御さんの認知症対策、相続対策をご心配の方のために、Web会議室を設置。
資料を画面共有しながら納得がいくまでの面談で、納得のGOALを目指します。
地域の皆様のかかりつけ法律家を目指し奮闘中!!
https://www.shukuwa.com/
老後の備えとして個人年金が預貯金より有利な点とは?
個人年金保険(以下、個人年金)とは、個人が任意で加入し、一定の期間に積み立てた保険料に応じて、あらかじめ決めた年齢から年金の給付を受けられる保険商品です。
公的年金では、受給開始時期を遅らせる繰下げ受給以外に年金を増額する方法として、自営業者など第1号被保険者、および65歳未満の任意加入被保険者の場合、国民年金基金に加入するか、月額400円の付加保険料を支払い、付加年金(200円×付加保険料納付月数で年額を計算)を基礎年金に上乗せするくらいしかありません。
会社員の方は、勤務先の制度によっては企業年金を受け取れることもありますが、公的年金に上乗せして老後の年金を増やしたい場合には、民間の保険会社が販売する個人年金への加入も1つの選択肢となります。
また、老後資金を準備する一般的な方法としては、例えば預貯金が挙げられますが、個人年金は以下の点で預貯金と比べて有利になっています。
(1)返戻率が高い
超低金利の現在、銀行の定期預金の金利は0.002%~0.003%です。金利が0.003%の場合、例えば1000万円を20年預けても利息は6000円程度にしかなりません。一方、個人年金は保険会社が運用しており、返戻率(年金受取額/保険料総額×100)が130%以上という商品もあります。
(2)所得控除が受けられる
私的年金である個人年金の保険料は、個人年金保険料控除の対象となります。年間の払込保険料の総額が8万円を超えると、最高額(所得税4万円・住民税2万8000円)の所得控除が受けられます。
預貯金の場合は少ない利息から約2割が源泉徴収されるのに対し、個人年金では所得控除を適用できます。ただし、個人年金は途中解約すると元本割れになることもあります。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
個人年金の主な種類と受け取り方
個人年金は、大きく分けて確定年金・終身年金・有期年金の3種類があります。
(1)確定年金
給付期間と金額が確定した年金で、決められた年金額を10年間で受け取れる「10年確定年金」を選ぶ人が多いようです。万が一、給付期間中に亡くなった場合には、残りの期間については遺族に年金が支払われます。
(2)終身年金
被保険者が生存している間、年金給付が受けられる個人年金です。被保険者が死亡した時点で年金の給付が終了となりますので、長生きすると得をしますが、逆に早く亡くなると損をします。
また、5年や10年といった保証期間を設けた商品の場合は、被保険者が亡くなっても保証期間中の年金は遺族が受け取れます。
(3)有期年金
年金の受給開始後に被保険者が生存している限り、契約時に決めた一定の期間中は年金を受け取れます。
個人年金はいつから受け取るのがいい?
個人年金は、契約時に保険料払込期間や給付開始年齢を設定します。生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」(令和3年度)によると、給付開始年齢については60歳からとする契約が最も多く、全体の約3割を占めていますが、近年では65歳からの受け取りも同程度の割合となっています。
契約時には60歳で定年退職する予定だった人も、65歳まで働ける状況になれば、給付開始のタイミングについて検討する必要があるでしょう。幸い、個人年金は給付開始年齢の変更などにも柔軟に対応でき、受け取りが始まる時期が近づくと保険会社から給付を開始するか否かの意思確認があります。
受け取りを遅らせれば、積み立てた保険料について保険会社での運用が続くので年金総額は増えます。また、給付開始年齢だけでなく、給付期間を変更することもできます。
例えば、60歳から10年間の受け取りを、65歳から15年間での受け取りに変更するなどです。日本では平均寿命が延び続けているため、年間の給付額を抑え、長期間で受け取る方がいい場合もあるでしょう。
個人年金の給付開始年齢は、遅くした方が年金総額は増えますが、それだけで決められるものではありません。どのような受け取り方が自分にとってベストなのか、個人年金の種類や給付期間、老後の働き方なども含め、しっかりと比較・検討して決めてください。
出典
公益財団法人 生命保険文化センター 2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士