更新日: 2023.10.22 その他年金
将来の年金額は「月8万円」なので、老後も働きたいです。働くと年金の支給が「減ることもある」と聞きましたが、本当ですか?
そこで本記事では、将来の年金額「月8万円」の人を例に挙げて、年金の支給が減額される場合はどのようなケースなのかを解説します。あわせて、在職老齢年金制度も紹介していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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在職老齢年金制度とは?
60歳以上の人が厚生年金保険の適用事業所に就職して働いた場合、在職老齢年金制度によって年金が減額される可能性があります。
年金受給額が減額されるのは「基本月額(年間の年金額を12で割った金額)」と「総報酬月額相当額(月の給与と賞与の合計額を12で割った金額)」の合計額が48万円を超えた場合です。年金が年間でどのぐらい減額されるのかについては「(総報酬月額相当額+基本月額-48万円)×1/2×12」の計算式によって求めることができます。
例に挙げた将来の年金額が月8万円の人をこの計算式に当てはめて計算すると、「48万円-8万円=40万円」です。ということは、総報酬月額相当額の合計額が40万円以下であれば、年金が減額されることはありません。
一方、総報酬月額相当額の合計額が50万円になってしまった場合、「(50+8-48万円)×1/2×12」=年60万円の年金が減額になります。月に8万円であれば、本来であれば年額にして96万円の年金を受け取ることが可能です。
しかし、働くことによって96万円-60万円(年金の支給停止額)=36万円の年金しか受け取ることができなくなってしまいます。つまり、働き損になってしまう可能性があるのです。
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年金が支給停止または減額されない方法とは?
在職老齢年金制度によって、年金の受給額が減額されないようにするためには2つの方法があります。1つ目は、「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が48万円を超えないような働き方をすることです。
2つ目は、厚生年金保険に加入しないことです。というのも、在職老齢年金制度の対象となるのは厚生年金保険の加入者のみだからです。未加入者の場合、48万円の基準額を気にせずに働くことができます。まず、個人事業主や自営業者として働く場合、厚生年金保険に加入する必要はありません。
次に、会社で働く場合でも、短時間労働者の厚生年金保険の加入条件を満たさないようにすれば、在職老齢年金制度の対象外になります。厚生年金保険の加入条件とは、1週間の所定労働時間または1ヶ月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3未満である人のうち、次に挙げる全ての要件を満たす人です。
・週の所定労働時間が20時間以上ある人
・所定内賃金が月額8万8000円以上ある人
・学生でない人
基準額48万円を超えたら年金受給額が減額または支給停止
年金受給額が減額されるのは「基本月額」と「総報酬月額相当額」の合計額が48万円を超えた場合です。
年金支給停止額は「(総報酬月額相当額+基本月額-48万円)×1/2×12」の計算式で求めます。将来の年金額が月8万円の場合、総報酬月額相当額の合計額が40万円以下であれば、年金が減額されることはありません。また、厚生年金に加入しない人も、年金の減額の対象外です。
出典
日本年金機構 在職中の年金(在職老齢年金制度)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー