更新日: 2023.10.25 その他年金
将来の年金額「月20万円」なら安泰? 手取りはどのくらいなの? 老後の平均支出とあわせて解説
そこで本記事では、月20万年の年金を受給する場合の手取りはいくらか、平均支出額と比較してその額では足りるのかということを詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金が月20万円の場合の手取りは?
まず、年金の受給額が月20万円であれば手取りはいくらになるのでしょうか。年金から天引きされるのは健康保険料と介護保険料、所得税、住民税です。このうち所得税と住民税は一定の所得がある人に課税される税金なので、所得が少なく所得税・住民税がかからない場合は、年金からの天引きも行われませんが、月20万円の場合は課税対象となります。
これらがいくら引かれるのかは、受給できる年金額に加えて年齢や住んでいる地域、家族構成などにより異なります。たとえば、東京都文京区に在住で年齢は65歳、1人暮らしの人の場合、健康保険料と介護保険料を合わせた社会保険料は年間で23万円程度引かれます。月あたり約2万円です。
さらに、所得税が年間およそ3万円、住民税が年間6万4000円程度引かれることになります。そうすると、実質的に受け取れる額は年間で205万6000円程度になります。月あたり17万1333円です。
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老後の平均支出額はいくらくらいなの?
それでは、手取りの年金が月17万円程度で老後は生活していけるのでしょうか。2022年に総務省が行った家計調査によると、2022年度の65歳以上の単身者世帯における平均消費支出額は約14万円でした。この数字だけを見ると、単身者であれば年金収入が月17万円でも問題なく生活していくことは可能に思えます。
ただし、この調査では消費支出における住居費が約9%になっていることを見逃してはなりません。14万円の9%は1万2600円です。持ち家の人であれば住居費はこの程度ですむでしょうが、賃貸の人の場合、家賃はもっと多くかかることになります。そう考えると、手取りの年金収入17万円は、平均支出で生活していけるかいけないか、ぎりぎりといったことになるでしょう。
年金だけだと足りない場合はどうすればいい?
年金だけだと足りなくなりそうな場合はどうすればよいのでしょうか。その場合の対処方法はさまざまです。まだ時間に余裕がある人は、つみたてNISAや企業拠出型年金、iDeCo(個人型確定拠出年金)などを活用して老後の資金をなるべく増やしておくのがおすすめです。
また、年金の繰下げ受給という方法もあります。手取り受給額月17万円の人が年金の受給を65歳からではなく66歳からにすれば、8.4%受給額が増えます。そうすると手取りの受給額は18万4280円になります。67歳まで繰り下げれば増加率は16.8%で手取り受給額は月19万8560円になるため、最初の想定どおり年金を毎月20万円程度受給することも可能です。
もしくは、老後に天引きされる分だけ働く、という方法もあるでしょう。シルバー人材センターなどを有効活用すれば、65歳以上の高齢者でも月3万円程度の働き口を見つけることは可能です。
年金は天引きされる分も想定に入れておこう!
老後に受給できる年金は、全額を手にできるわけではありません。社会保険料や税金が天引きされるためです。いくら引かれるのかは年金額や年齢、住んでいる場所、家族構成などによりますが、おおむね15%程度の人が多いでしょう。
老後の資金計画はこのことを念頭に置いておくことが大切です。足りなくなりそうな場合は、年金の繰下げ受給や老後も働くことを検討しましょう。
出典
国税庁 No.1600 公的年金等の課税関係
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 家計の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー