更新日: 2023.10.28 その他年金

65歳以降も「会社員」として働く予定です。せっかくもらえる年金を減らされたくないのですが、収入はいくらまでならセーフですか?

65歳以降も「会社員」として働く予定です。せっかくもらえる年金を減らされたくないのですが、収入はいくらまでならセーフですか?
「退職金と年金があれば老後は悠々自適な暮らしができる、そんな時代ではなくなった」といわれることも増え、漠然とした老後不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。
 
年金のみで生活するのは厳しいため、65歳以降もできる限り長く働いて収入を確保しようと考える人もいるでしょう。その一方で収入が多いと年金支給額を減らされたり停止となったりすることもあります。
 
本記事では、65歳以降も会社員として働く場合、収入がいくらまでなら年金を減らされずに済むのか解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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定年後も働いても原則年金を受け取れる

結論からいえば、定年後も働きながら年金を受け取ることができます。年金以外に給与所得や事業所得、資産運用などによる収益などがあるからといって無条件に年金の支給が停止されるわけではありません。
 
保険料を満額納付して免除や納付猶予などの期間が全くない場合、2023年度の老齢基礎年金は月額6万6250円支給されます。会社員として月額40万円程度の平均的な収入で40年間働いた場合、夫婦2人分の老齢基礎年金も含めると月額約22万4482円と試算されています。
 
いままで支払った保険料が、定年後も働き続けることで全て無駄になることはありませんが、働き方によっては受け取れる年金額が減ってしまうこともあります。
 

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月48万円を超えるともらえる年金が減る?

在職老齢年金制度といい、収入金額が一定のラインを超えると年金の一部または全部が支給停止されることがあります。
 
具体的には、会社員として厚生年金保険に加入して働く場合、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計金額が月48万円を超えると年金の支給停止の対象となります。ただし支給停止対象となるのは老齢厚生年金の部分であり、老齢基礎年金は収入の規模にかかわらず全額支給されます。
 
総報酬月額相当額とは、その月の標準報酬月額と、その月以前1年間の標準賞与額を12で割った数字を足したものです。毎月の給料だけでなくボーナスも含めて計算されます。では、給料がいくらまでなら年金を減らされずに済むのでしょうか。
 
例えば、以下の場合は老齢厚生年金と平均給与収入の合計金額が35万円となるため、在職老齢年金制度による支給停止対象となりません。
 

●老齢厚生年金の受給額:10万円
●老齢基礎年金:6万円
●ボーナスを含めた月間平均給与収入:25万円

 
一方で、例えばボーナスを含めた月間平均給与収入が40万円あると、合計額は50万円となり48万円を超えるため、老齢厚生年金の一部が支給されなくなります。支給停止金額は「(基本月額+総報酬月額相当額-48万円)÷2」で計算され、「(50万円-48万円)÷2=1万円」です。
 
月48万円を超えたからといって急に大幅に減額されるわけではありませんが、もし老齢厚生年金は満額もらいたい、1円も止められたくない場合は上記の事例だと38万円以下に抑える必要があります。
 

まとめ

今回は65歳以降も会社員として働く場合、もらえる年金を減らされないためには、収入をいくらまでに抑える必要があるのか解説しました。
 
年金を減らされると損と考える人も多いかもしれませんが、老後も働いて厚生年金に加入し続けると納付する厚生年金の保険料も増えます。年金額の計算の基礎となる被保険者期間に追加されて受け取る年金額も増えるため、年金の支給停止を受けたからといって「絶対に損」というわけではありません。
 
70歳で仕事をやめても、定年後に働いて厚生年金保険料を納付した分、将来的に受け取る老齢厚生年金が増えると考えると、月48万円のラインを過度に気にせず働けるうちは働くのも1つの方法かもしれません。
 

出典

日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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