更新日: 2023.10.29 その他年金

年金は2ヶ月分が後払いになると聞きました。受給中に亡くなった場合はどうなるのですか?

年金は2ヶ月分が後払いになると聞きました。受給中に亡くなった場合はどうなるのですか?
年金は、偶数月の15日に年に6回支給されますが、支払月の前2ヶ月分の後払いであることを把握していない人もいるのではないでしょうか。年金は支払月と支払対象月が異なり、当月分の年金を受け取れるのは次の偶数月の15日になるのです。
 
本記事では、年金の支払月と支払対象月について、年金受給者が死亡した際に一定の要件を満たす遺族が受け取れる未支給年金について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金は支払月と支払対象月が異なる

年金の支払月と支払対象月は異なり、図表1のように受け取れるのは支払月の前2ヶ月分の年金です。
 
【図表1】

支払月 支払対象月
2月 12月、1月
4月 2月、3月
6月 4月、5月
8月 6月、7月
10月 8月、9月
12月 10月、11月

日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」より筆者作成
 
例えば、2月15日に振り込まれるのは、12月と1月分の年金となる仕組みです。年金は偶数月の15日が支払日となり、金融機関の休業日に当たる場合は直前の平日に振り込まれます。
 

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年金受給者が死亡した場合は遺族が未支給年金を受け取れる

年金受給者が亡くなったとしても、要件を満たす遺族に対して未支給年金が支払われます。亡くなったらすぐに年金の支給がストップするわけではありません。
 
受け取っていない年金や亡くなった月までの年金は、偶数月の15日に振り込まれます。例えば年金受給者が9月中に亡くなった場合は、8月分と9月分の年金の受け取りが可能です。
 

未支給年金を受け取るための条件

年金受給者が亡くなった場合、亡くなった年金受給者と生計を同じくしていた遺族が、以下の未支給年金を受け取れます。


・年金受給者が亡くなったときに、まだ受け取っていない年金
・亡くなった日から後に振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金

ただし、未支給年金を受け取れるのは生計を同じくしていた遺族で、そのなかにも優先順位があるので注意してください。(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)その他の3親等内の血族という順になっており、最も順位が高い遺族が未支給年金を受け取れます。
 

受け取った金額によっては確定申告が必要

受け取った未支給年金は相続税の対象ではありませんが、確定申告が必要になる場合があります。なぜなら、未支給年金は受け取った遺族の所得となって、一時所得に分類されるからです。
 
一時所得は「総収入金額-収入を得るために支出した金額(※)-50万円(特別控除額) 」で計算します。受け取った未支給年金が特別控除額の50万円を超えなければ確定申告は不要です。
 
ただし、未支給年金が50万円を超えている、未支給年金以外の一時所得と合算して50万円を超えている場合は、確定申告を行わなければなりません。
 
(※)その収入を生じた行為をするため、または、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額
 

未支給年金の受け取りには請求手続きが必要

未支給年金を受け取る際には、年金事務所や年金相談センターに受給権者死亡届(報告書)と未支給年金請求の届出が必要です。また、提出の際には、図表2の添付書類も必要なので漏れがないように用意しましょう。
 
【図表2】

受給権者死亡届(報告書) ・亡くなった年金受給者の年金証書
・住民票除票・戸籍抄本・市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)の写しまたは死亡届の記載事項証明書のいずれか(死亡の事実を確認できる書類)
未支給年金請求の届出 ・亡くなった年金受給者の年金証書
・亡くなった年金受給者と請求者の続柄を確認できる書類
(戸籍謄本または法定相続情報一覧図の写しなど)
・亡くなった年金受給者と請求者が生計を
同一にしていたことを確認できる書類(亡くなった年金受給者の住民票の除票および請求者の世帯全員の住民票の写し)

※住民票の除票は、請求者世帯全員の住民票の
写しに含まれている場合は不要
※マイナンバーを記入すれば請求者の世帯全員の住民票の
写しの添付を省略可能

・未支給年金の受け取りを希望する金融機関の通帳
(請求書に金融機関の証明を受けた場合は不要)
・生計同一関係に関する申立書
(亡くなった年金受給者と請求者が別世帯の場合)

日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」より筆者作成
 
書類の提出が遅れると年金を多く受け取ることになり返金が必要です。年金受給者が亡くなったら速やかに提出してください。
 

死亡した月まで年金は未支給年金として遺族が受け取れる

年金は支払月と支払対象月が異なり、支払月の前2ヶ月分の年金を受け取れます。年金受給者が死亡したとしても、その亡くなった年金受給者と生計を同一にしていた遺族が未支給年金の受け取りが可能です。
 
ただし、未支給年金を受け取るためには年金事務所や年金相談センターに必要書類を提出しましょう。
 

出典

日本年金機構 Q.年金はいつ支払われますか。
日本年金機構 年金を受けている方が亡くなったとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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