更新日: 2023.11.13 その他年金
年金の見込み額は月6万円です。60歳から繰上げ受給したら月いくらになりますか?
そこで本記事では、見込み額が6万円の人の年金が60歳からの繰上げ受給でいくらになるのかを解説します。また、繰上げ受給にともなうデメリットや繰上げ受給でメリットがあるケースもまとめました。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
60歳からの繰上げ受給で年金は最大24%減額される
年金の繰上げ受給とは、原則として65歳から受け取る老齢年金を、最大で60歳まで繰上げて受給できる制度です。代わりに受給を繰上げた期間に応じて、一定の割合が本来の年金額から減額されます。
繰上げ受給による減額率は、1ヶ月の繰上げにつき0.4%です(昭和37年4月2日以降生まれの場合)。60歳0ヶ月~60歳11ヶ月のいずれかの時点に年金受給を繰上げた場合、減額率は0.4%×繰上げ月数49~60月=19.6~24.0%となります。
仮に本来の年金額が6万円の人が、60歳0ヶ月~60歳11ヶ月に年金受給を繰上げると、年金額は4万8240円~4万5600円に減る計算です。
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繰上げ受給を選択すると国民年金の任意加入や追納はできないことに注意
老齢年金を繰上げ受給すると、年金額が減ることに加えて、受給開始以降は国民年金の任意加入や追納ができなくなる点に注意が必要です。
年度ごとの年金給付水準にもよりますが、老齢基礎年金受給額の満額は6万5000円前後です。年金の見込み額が6万円の人は、過去に国民年金保険料納付の免除を受けた期間があるなど、何らかの理由で基礎年金が満額に達していない可能性があります。
経済的に困窮しているなど、老齢年金を繰上げ受給しなければならない差し迫った事情がなければ、繰上げ受給を選択する前に年金記録を確認し、任意加入や追納で年金額を底上げすることも検討するとよいでしょう。
■国民年金の任意加入
保険料納付済期間が40年に満たない場合に、60歳以降でも65歳になるまで国民年金に加入して、保険料納付済期間を積み上げられる制度
■国民年金保険料の追納
過去10年以内に保険料の免除や納付猶予を受けた期間がある場合に、保険料を後払いして保険料納付済期間が欠けた部分を穴埋めできる制度
また、老齢年金を繰上げ受給すると、次のような制限も受けるため、年金事務所に相談するなどして結果的に損をすることにならないか十分確認しましょう。
・65歳になるまで遺族厚生年金や遺族共済年金と併給できない
・寡婦年金が受給できない
・事後重症などによる障害年金を請求できない
・厚生年金保険の長期加入者や障害者の特例措置を受けられない
年金が減っても年金を繰上げ受給したほうがよいのはどんな人?
老齢年金の繰上げ受給を選択する利点は、65歳の年金受給開始前に「まとまった収入を確保できること」「確実に年金を受け取れること」の2つです。例えば、貯蓄や収入が乏しく65歳までの生活費に大きな不安がある人にとって、年金を繰上げ受給することで生活費を確保できるメリットは大きいでしょう。
また、健康に問題があるなどの理由で「65歳を待っていると年金を受け取れないかもしれない」と感じている人や、「万が一のことがあって短期間しか年金を受け取れないのは避けたい」と考える人にも、繰上げ受給はメリットのある選択だといえます。
繰上げ受給は早く年金がもらえるがさまざまな制限もあるので注意
老齢年金を60歳から繰上げ受給すると、年金額から最大で24%が減額されます。また、任意加入や追納ができなくなることや、障害年金や寡婦年金の受給が制限されることなど、繰上げ受給にともなうデメリットにも注意しましょう。
ただし、当面の生活資金が不足している人など、繰上げ受給を選択することで安心を得られる場合もあります。自身にとって繰上げ受給が本当にベストな選択肢かどうか、よく検討するのが大切です。
出典
日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 任意加入制度
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー