更新日: 2023.11.28 その他年金

「月11万円」の年金を「60歳・70歳」で受け取ると、平均寿命までの総額はどれくらいの差になる? 男性は「早く受けったほうが得」という結果に

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

「月11万円」の年金を「60歳・70歳」で受け取ると、平均寿命までの総額はどれくらいの差になる? 男性は「早く受けったほうが得」という結果に
老齢年金は原則65歳から受け取ることができます。ただし、繰上げ受給を選択した場合は60歳から65歳になるまでの間、繰下げ受給を選択した場合は66歳以降に受け取ることになります。
 
それでは、「月11万円」の年金を、「60歳」から受け取る場合と「70歳」から受け取る場合で、どれだけの差になるのか解説していきます。あわせて、繰上げ受給と繰下げ受給のメリット・デメリットも紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

繰上げ受給のメリット・デメリットとは?

年金の繰上げ受給を選択すると、60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて年金を受け取ることができます。通常よりも早く受給できるのがメリットです。
 
ただし、その分、年金額が減額されるのがデメリットです。昭和37年4月2日以降生まれの人は、減額率は「0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」の計算式で求めます。減額率は最大で24%です。
 
また、繰上げ受給をすると、国民年金の寡婦年金の受給ができなくなったり、事後重症などによる障害基礎(厚生)年金を請求することができなくなったりします。
 

繰下げ受給のメリット・デメリットとは?

年金の繰下げ受給を選択すると、66歳以後75歳までの間に繰下げて年金を受け取ることができます。早く亡くなってしまうと、年金を受け取る期間が短くなってしまうというのがデメリットです。
 
ただし、受給を遅らせた分、年金額が増額するのがメリットです。増額率は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」の計算式で求めます。増額率は最大で84%になります。75歳に達した月(75歳の誕生日の前日の属する月)を過ぎて請求を行っても増額率は増えません。増額された年金は、75歳までさかのぼって決定され支払われます。
 

「60歳」「70歳」で受け取った場合は?

60歳に繰り上げて年金を受け取ると、減額率は「0.4%×60ヶ月=24.0%」です。65歳になった際に受け取る年金額が11万円の場合、「11万円×0.24=2万6400円」の減額になります。
 
そのため、1ヶ月に受け取ることができる年金額は月に8万3600円、年に100万3200円です。厚生労働省の「令和4年簡易生命表」によると男の平均寿命は 81.05 年、女の平均寿命は87.09年です。
 
そのため、平均寿命まで生きたとすると、男性の場合は21年間、女性の場合は27年間、年金を受け取ることができます。ということは、総受給額は男性の場合は2106万7200円、女性の場合は2708万6400円になります。
 
一方、70歳に繰り下げて年金を受け取ると、増額率は「0.7%×60ヶ月=24.0%」です。65歳になった際に受け取る年金額が11万円の場合、「11万円×0.24=2万6400円」の増額になります。
 
そのため、1ヶ月に受け取ることができる年金額は月に13万6400円、年に163万6800円です。平均寿命まで生きたとすると、男性の場合は11年間、女性の場合は17年間、年金を受け取ることが可能です。ということは、総受給額は男性の場合は1800万4800円、女性の場合は2782万5600円になります。
 
男性の場合は繰上げ受給のほうが306万2400円多く受け取ることができますが、女性の場合は繰下げ受給のほうが73万9200円多く受け取ることが可能です。では、65歳で受け取る場合はどうなのかというと、年に132万円受け取ることができます。
 
そのため、男性の場合は16年で2112万円、女性は22年で2904万円受け取ることが可能です。そのため、男性も女性も「60歳」「70歳」で受け取るよりも、総年金額は多くなります。とはいえ、寿命は分からないので、それぞれのメリット・デメリットなどを踏まえて受給開始時期を考えてみてください。
 

男性は「60歳」女性は「70歳」で受給したほうがお得

平均寿命まで生きたと仮定して、男性の場合は60歳で受給したほうが総額は306万2400円多く受け取ることができます。一方、女性の場合は70歳で受給したほうが73万9200円多く受け取ることが可能です。
 
とはいえ、いつまで生きるのかは誰にも分からないことです。繰上げ受給と繰下げ受給のメリット・デメリットなどを踏まえて受給開始時期を選択してください。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

ライターさん募集