更新日: 2023.11.30 その他年金
専業主婦で毎月「5万円」の国民年金を受け取っていた妻が亡くなりました。「遺族年金」は受け取れますか?
特に子どもがいる家庭で、専業主婦(主夫)をしていた年金受給者が亡くなった場合は、子どもの年齢によって受け取れる金額が異なります。
今回は、専業主婦(主夫)をしていた方が亡くなった際に、子どもやパートナーがいるケースを例に、遺族年金が受給できるのかどうかについてと、受給できる場合の受給金額についても、ご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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遺族年金の種類
遺族年金とは、公的年金保険に加入している方や、年金を受給中の方(以下本人とする)が亡くなった際に、遺族へ支給される年金を指します。遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、受給対象者が異なります。2つの違いについて、表1にまとめました。
表1
年金の種類 | 支給条件 | 受給対象者(優先順位) |
---|---|---|
遺族基礎年金 | ・本人が国民年金に加入 ・本人が老齢基礎年金を受給 |
1.子どものいる配偶者 2.子ども |
遺族厚生年金 | ・本人が厚生年金に加入 ・本人が老齢厚生年金を受給 |
1.子どものいる配偶者 2.子ども 3.子どものいない配偶者 4.父母 5.孫 6.祖父母 |
※日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」を基に筆者作成
なお子どもと孫は、18歳になった年の年度末までか、20歳未満かつ障害年金における障害等級が1級もしくは2級に該当している場合にのみ、受け取れます。
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専業主婦の妻が亡くなったときに夫が受け取れる遺族年金はいくら?
今回は、専業主婦をしていた方が亡くなった場合を想定してみましょう。条件は、以下の通りとします。
・亡くなった妻は66歳の専業主婦で、過去に厚生年金に加入していない
・妻は老齢基礎年金を受給していた
・17歳、15歳、13歳の子どもが一人ずついる
・子どもは3人とも障害等級に該当しない
厚生年金に加入していなかったため、遺族厚生年金は受け取れません。老齢基礎年金は、子どもが全員19歳未満のため、79万5000円に子ども3人分を加算して計算します。
子ども2人目までは22万8700円ずつ、3人目以降は1人につき7万6200円が加算されます。このことから、遺族基礎年金を受給する1年目の金額は132万8600円になります。
また翌年の3月31日を過ぎて、1人目の子どもが「18歳になった年の年度末」を超えると対象外になりますので、2年目は2人目と3人目の子どものみが加算対象となり、子どもは2人いることとして加算されます。
そのため、2年目の受給額は125万2400円です。さらに2年たつと、2人目も18歳になった年の年度末を超えるため、4年目の受給額は3人目の子どものみが対象となり、子ども1人目として加算された受給額は102万3700円になります。
3人目の子どもも18歳の年度末を過ぎると、遺族基礎年金の受給条件を満たさなくなるため、支給されなくなります。今回の条件では、5年間で合計588万800円を受け取れる計算になります。
妻が生計維持をしていたと認められなければ受け取れないケースもある
たとえ子どもがいる配偶者という受給条件を満たしていても、遺族基礎年金を受け取れないケースもあります。遺族年金は、亡くなった本人が生計を維持していたと判断されたときに支給されるため、妻が生計を維持していたと認められない場合は、支給されない可能性があります。
妻に生計を維持されていると判断される条件は、同居、または別居している場合でも仕送りをしている、および認定対象者(この場合は夫)の前年の年収が850万円未満であることです。
子どもの年齢などによって遺族年金の金額は変動する
遺族年金は、子どもの年齢や、亡くなった本人が厚生年金に加入していたかどうかなどで、支給額が変わります。また、生計を維持されていた人の年収が850万円以上あると、遺族基礎年金は受け取れません。
生計を維持されている人の年収が850万円以上の場合は、万が一に備えて、生命保険などに加入しておくこともひとつの方法です。もしものときに備えて、家族で話し合っておきましょう。
出典
日本年金機構
遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
年金用語集 さ行 生計維持
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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