ねんきん定期便に書いてある金額を受け取れるわけではない? 将来の年金額はどうやったら分かる?
配信日: 2023.12.09
しかし、ねんきん定期便は、将来的に受け取れる年金額を記載しているわけではありません。今後の納付状況や加入する年金に変更があれば、受給額は変わります。そこで本記事では、ねんきん定期便に記載されている内容をはじめ、将来受け取れる年金見込額を試算する方法などを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ねんきん定期便で確認できる内容とは?
ねんきん定期便は図表1のように年齢区分によって、通知内容が異なります。
【図表1】
年齢区分 | 送付形式 | 通知内容 | |
---|---|---|---|
50歳未満 | 35歳・45歳以外 | はがき | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・直近13月の月別状況 ・過去の加入実績に応じた年金額 |
35歳・45歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・年金加入履歴 ・全期間の月別状況 ・過去の加入実績に応じた年金額 |
|
50歳以上 | 59歳以外 | はがき | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・直近13月の月別状況 ・年金の種類と見込額 |
59歳 | 封書 | ・保険料納付額 ・年金加入期間 ・年金加入履歴 ・全期間の月別状況 ・年金の種類と見込額 |
日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」より筆者作成
将来受給できる年金額が記載されているわけではない
ねんきん定期便の内容がアテにならないわけではありませんが、将来の年金受給額とは異なります。あくまでも加入実績に応じた年金額となり、現時点における保険料の累計額をもとに算出した年金額だからです。
就職が決まって厚生年金被保険者になる、会社員からフリーランスになる、失業して保険料の免除を受けるなど、人によってさまざまな働き方や生活状況があり、将来の年金額を予想することは難しいのです。そのほかにも、年金の繰上げ受給や繰下げ受給といった方法を選択した場合も、年金額は変わるでしょう。
また、ねんきん定期便には加給年金や振替加算、個人年金や確定拠出年金といった私的年金の金額は反映されていない点にも注意してください。
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将来受け取れる年金見込額を試算する方法
将来の年金受給額を知りたいけれど、ねんきん定期便の記載内容だけでは正確かどうか分からない、より詳しく知りたい場合は以下の方法も利用してみてください。
・ねんきんネット
・公的年金シミュレーター
加入した年金制度や被保険者だった期間、保険料の納付額などに基づいて計算を行います。試算条件を設定したうえで、将来の年金受給額がどのくらいになるのかを調べてみましょう。
ねんきんネット
ねんきんネットにアクセスしたら、トップページの「将来の年金額を試算する」を選択してください。試算方法は「かんたん試算」「詳細な条件で試算」の2種類あるので、適した方法で試算を行いましょう。
なお、「かんたん試算」は、試算条件を「60歳まで現在と同条件にて年金制度に加入する」と仮定して年金見込額を算出します。それに対し、「詳細な条件で試算」では、今後の職業や年金の受給開始時の年齢、国民年金保険料の追納といった条件を設定したうえで、年金見込額の試算が可能です。
公的年金シミュレーター
厚生労働省の公的年金シミュレーターを使用すれば、パソコンやスマートフォン、タブレットから将来受け取る年金額を簡単に試算できます。厚生労働省の「公的年金シミュレーター使い方ホームページ」にアクセスして「公的年金シミュレーターを利用する」を選択するか、スマートフォン、タブレットでQRコードを読み取ってください。
選択、または読み取った後に、生年月日や働き方・暮らし方、受給開始年齢、国民年金保険料の免除期間といった情報を入力し、「試算する」を選択すると結果の確認が可能です。
将来受け取れる年金見込額を把握して老後資金の準備をしよう
ねんきん定期便で確認できるのは、過去の加入実績に応じた年金額です。加入する年金に変更があった、受け取る年齢が何歳になるのかといった理由で将来的に受け取れる年金額は変わります。
ねんきん定期便に記載されている年金額がアテにならないわけではありませんが、あくまでも目安程度にするのがよいでしょう。そのうえで、ねんきん定期便に記載された年金額が少ないと感じたら、働き方を変える、貯蓄をするなど、老後資金の準備と計画を検討してみてください。
出典
日本年金機構 Q 「ねんきん定期便」とは何ですか。
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 「ねんきんネット」による年金見込額試算
政府広報オンライン 「ねんきんネット」でいつでも最新の年金記録が確認できます!
日本年金機構 年金見込額試算
厚生労働省 公的年金シミュレーター使い方ホームページ
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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