更新日: 2023.12.08 その他年金

就職したら年金保険料が増えました。かなり天引きされていますが損をしていませんか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

就職したら年金保険料が増えました。かなり天引きされていますが損をしていませんか?
就職をして給料をもらったあとに給与明細を見て、年金保険料の天引き額に驚いた方もいることでしょう。年金保険料が何のために天引きされるのか、どのように役立つのかは、社会人として知っておきたい知識です。
 
本記事では、年金保険料がなぜ天引きされるのか、仕組みと将来にとっての価値を解説します。社会人の常識として知っておくべき知識を、ぜひ身につけましょう。
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年金保険料が天引きされる理由

年金保険料が給与から天引きされるのは、事業主に国への年金保険料納付義務があるためです。事業所の規模に基づく従業員数や、週に一定時間以上働くことなど、特定の基準を満たしている従業員が天引き対象となります。
 
年金保険料には、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人に加入義務のある国民年金保険と、会社員や公務員などが加入する厚生年金保険があります。
 
年金制度は老後の安定した生活を支えるために設計されており、全ての国民が安心した将来を迎えることができるように考慮されています。給与から年金保険料が天引きされるのは、この国民年金制度に基づくものです。
 

国民年金には加入義務がある

2023年度の国民年金保険料は、一律1万6520円と設定されています。保険料は、老後の年金受給のための基盤を形成し、将来に向けた重要な投資となるものです。納められた保険料は、将来的に老齢基礎年金として受給されることになります。
 

就職したら厚生年金にも加入する

就職すると、国民年金に加えて厚生年金への加入が求められます。厚生年金の保険料は、賃金に対する定率で計算され、2023年度の保険料率は18.3%で、2017年以来固定されています。つまり高い賃金を得る人ほど、多くの保険料を支払うことになります。
 
アルバイトやパートタイマーも、一定の労働時間を満たせば厚生年金に加入対象となります。厚生年金の保険料は労使折半で、実際に従業員が天引きされるのは9.15%です。また、厚生年金保険料には国民年金分も含まれているため、二重払いにはなりません。
 
厚生年金の加入者は、退職後に国民年金と厚生年金の両方から年金を受け取る権利があります。老齢基礎年金の受給額は納付期間に依存し、老齢厚生年金は加入期間と給料額に基づいて計算されます。
 

年金保険料の天引きで損をしている? 確認方法とは

給与から天引きされる年金保険料が、適切かどうかを確認することは大切です。厚生年金保険料の計算方法は、毎月の給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率を乗じることで求められます。
 
標準賞与額は、賞与の金額を千円単位とした金額で、千円未満を切り捨てて計算します。例えば給与が25万5500円の場合、標準賞与額は25万5000円です。
 
もし保険料が多く引かれすぎていると感じたら、間違いがないか確認しましょう。計算してみて、間違いがあれば速やかに会社に連絡することが重要です。
 
厚生年金保険料が引かれすぎていた場合、返還されることになります。翌月の給与で調整されるか、現金で直ちに返還されます。どちらの方法でも、正確な金額が厚生年金保険料として天引きされます。
 
年末調整時には、1年間に支払った厚生年金保険料が社会保険料控除として反映されます。誤って引かれた保険料が返還された場合、年末調整の際にはその合計金額の確認が必要になります。正しい計算がされているかを確認しましょう。
 

年金保険料は損ではなく将来への備え

就職に伴い増えた年金保険料の天引きは、一見すると現在の手取り収入を圧迫しているように感じられるかもしれません。これらの保険料は単なる出費ではなく、将来のための重要な備えです。
 
国民年金と厚生年金への加入は、老後の生活を安定させるための基礎を築きます。また、厚生年金保険料は労使折半されるため、実際に個人が負担する金額は半分です。
 
このようにして、将来の備えを確保するための制度に貢献しています。年金保険料は決して損ではなく、自分自身と家族の将来への大切な投資なのです。給料の天引きで不安のある人は、適切な額かどうかを確認してみましょう。
 

出典

厚生労働省 20代のみなさんへ
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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