65歳以降も「年収360万円」の予定です。働きながら年金を受け取ると「支給停止」になると聞きましたが、繰下げ受給をすれば年金は停止されませんか?

配信日: 2023.12.15

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65歳以降も「年収360万円」の予定です。働きながら年金を受け取ると「支給停止」になると聞きましたが、繰下げ受給をすれば年金は停止されませんか?
65歳になると原則として年金を受け取れるようになり、年金を受け取りながら働くことで生活費を増やすことが可能です。しかし、年収が多くなってしまうと年金が支給停止になることがあります。このことから、年金の受給開始を遅らせる繰下げ受給をすることで年収を気にせずに働き、年金額も増やすことを考えている人もいるでしょう。
 
そこで本記事では、働きながら年金を受け取る際の注意点を解説していきます。繰下げ受給中に働く際の注意点についても紹介するので参考にしてください。
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働きながら年金を受け取ることは可能

老齢基礎年金や老齢厚生年金は働きながら受給することが可能です。60歳以降に働きながら受け取る老齢厚生年金のことを在職老齢年金といいます。給与と年金を同時に受給できるので、収入を増やせる点がメリットです。それだけでなく、厚生年金保険に加入している場合は70歳までの期間であれば老齢厚生年金を増やすこともできます。
 
しかし、「給与と老齢厚生年金を合わせた収入が一定額を超えてしまう」場合には、年金の受給が一部停止や全額停止になってしまうので注意してください。賞与を含む給与の基本月額と老齢厚生年金の月額の合計が48万円を超えてしまうと支給停止の対象となります(年金の中でも老齢基礎年金は対象になりません)。
 
例えば、年収360万円で老齢厚生年金の月額10万円だった場合は、合計が40万円なので支給停止の対象になりません。満額を受け取ることができます。しかし、年収480万円で老齢厚生年金の月額10万円だった場合は、合計が50万円になるので支給停止の対象です。この場合は48万円を超えた2万円の1/2の1万円が支給停止となり、10万円の年金額が9万円になってしまいます。
 

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繰下げ受給をしながら働くメリット

収入が多くなると年金額が減ってしまうので年金を受け取らずに働くことを検討している人もいるでしょう。この場合に考えられるのが年金の繰下げ受給制度です。65歳から受給できる年金を、66歳以後に受給開始することで年金額を増やすことができます。
 
具体的には70歳0ヶ月から受給を開始すると42%年金額を増やせます。年額で180万円の年金の場合は、70歳0ヶ月で繰下げ受給すると年額255万6000円です。月額だと15万円から21万3000円になり、約6万円も増やすことができます。
 

繰下げ受給をしても年金額が減らされることも!

しかし、年金を繰下げている場合でも年金額が減らされてしまう場合があります。年金繰下げ中(年金を受け取らない期間)に「年金を受け取っていた場合に支給が停止される金額」については、加算額の対象となりません。
 
例えば、年収480万円で受け取れる老齢厚生年金の月額が10万円だった場合は、老齢厚生年金の受給を70歳まで繰下げると年金を受け取らないので給与収入の月額40万円だけになります。
 
この場合は、48万円以下なので年金支給停止の対象にならないはずだと思うかもしれませんが、実際はここでも在職老齢年金の停止対象になってしまうので、繰下げ受給で加算される対象だった10万円から1万円分が引かれて計算されます。本来であれば10万円の42%アップなので14万2000円になるはずが、12万7800円になってしまうのです。
 

働きながら年金を受け取る場合は合計額に注意しましょう

年金を受け取りながら働く際は、年収と年金額が一定額を超えないようにすることをおすすめします。繰下げ受給をしても損をしてしまう可能性があるので、働き方には慎重になりましょう。計算や金額の確認が難しい場合はお近くの年金事務所で相談することも考えてください。
 

出典

日本年金機構 さ行 在職老齢年金

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法

日本年金機構 年金の繰下げ受給

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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