更新日: 2023.12.17 その他年金

夫が65歳になり年金生活がスタート。56歳「扶養内パート」の妻は扶養家族でいられる? 妻がとる「3つの選択肢」と、それぞれの負担額を試算

夫が65歳になり年金生活がスタート。56歳「扶養内パート」の妻は扶養家族でいられる? 妻がとる「3つの選択肢」と、それぞれの負担額を試算
配偶者が老齢年金を受け取れる65歳になったあとも、自身が引き続き扶養家族のままでいられるのかは気になるところです。本記事では、会社員の夫と年下で主婦の妻を例に、夫が年金生活になったときに妻にはどのような選択肢があるのか、試算をまじえて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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夫が年金生活になるまでは、妻は扶養家族のまま?

会社員(国民年金第2号被保険者)である夫が退職するまでは、妻は要件を満たせば夫の扶養家族(国民年金第3号被保険者)でいられます。しかし、夫が65歳で退職したときに年下の妻は扶養から外れ、自分で国民年金に加入する手続きを行い、年金保険料の納付が必要になります。
 
子どもがおらず夫婦2人だけの世帯で夫が年金生活の場合、「国民健康保険に加入する」または「退職前に加入していた健康保険を任意継続する」のどちらを選ぶのかによって、妻には3つの選択肢から1つを選ぶ必要が出てきます。
 

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妻がとる選択肢にはどのようなものがある?

妻がとる3つの選択肢とは、具体的にはどんな内容なのでしょうか。
 

(1)国民年金と国民健康保険に加入して年金保険料を自分で支払う

夫が退職して社会保険(厚生年金と健康保険)から抜けた場合、年下の妻は扶養家族(国民年金第3号被保険者)ではなくなるため、国民年金保険料を自分で支払うことになります(国民健康保険料は世帯主が支払います)。
 

(2)夫が健康保険を任意継続し、妻も健康保険での扶養を継続する

夫が退職前に加入していた健康保険を任意継続する場合、妻も健康保険制度での扶養を継続することが可能です(健康保険によって、任意継続する人と家族の年収が一定以下の年収であることなどの条件があります)。
 

(3)妻が勤務時間を増やして自身の勤務先の社会保険に加入する

妻が勤務時間を増やして自身の勤務先の社会保険(健康保険と厚生年金)に加入することになれば、保険料の半分を勤務先が負担し、将来もらえる予定の年金見込み額も増えます。
 

3つの選択肢それぞれを選んだ場合の負担額は?

それでは、3つの選択肢それぞれを選んだ場合の負担見込み額を試算してみましょう。厚生労働省「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」での厚生年金受給者平均月額14万5665円を夫の年金額、妻の現在収入額を月5万円(年60万円)として、税や保険の情報サイト「税金・社会保障教育」のシミュレーション機能を一部用いて試算します。
 

(1)国民年金保険料と国民健康保険料を支払う場合

令和5年度の国民年金保険料:月1万6520円(年間19万8240円)
国民健康保険料:1世帯で年間約15万7200円。これは世帯主が支払います。
 

(2)夫が健康保険を任意継続し、妻も健康保険での扶養を継続する

厚生年金受給者の平均月額14万5665円を受け取る夫の退職前の年収を約412万円(月額約34万円)と仮定すると、任意継続する場合の標準報酬月額の上限は30万円となり、夫が支払う任意継続保険料は年間36万円(月額3万円)です。任意継続できる期間は最大2年間で、その後は国民年金と国民健康保険への加入が必要です。
 

(3)妻が勤務時間を増やして社会保険に加入する

妻が年間106万円(月8万8000円)に収入を上げて社会保険に加入した場合、手取り収入は約88万9607円に下がります。しかし、1年加入すると将来受け取る厚生年金額は年約5787円増加する見込みです。
 

まとめ

夫が65歳になって年金生活者になったときに、健康保険は任意継続を選択した場合以外は、年下の妻は夫の扶養から外れます。現在の生活に必要な金額と比較して、どのように対処すべきか検討することが望ましいでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況

日本年金機構 国民年金保険料

協会けんぽ 全国健康保険協会(協会けんぽ)の任意継続被保険者の方の保険料額

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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