更新日: 2024.01.11 その他年金

年金の繰上げ受給を検討していますが、減額率が心配です。通常の受給と比べて、最大何%の減額になりますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金の繰上げ受給を検討していますが、減額率が心配です。通常の受給と比べて、最大何%の減額になりますか?
年金制度は経済的に老後を支えてくれるものです。早めに受給することができる「繰上げ受給」を選択すると、60歳から65歳になるまでの間に年金を受け取ることが可能です。ただし、早めに受け取った分、年金受給額が減ります。
 
そこで、本記事では繰上げ受給を選択した場合、通常の受給と比べて最大何%の減額になるかを解説します。あわせて、注意点も紹介しますので参考にしてください。
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繰上げ受給の最大減額率は?

年金は原則65歳から受給が可能です。ただし、繰上げ受給を選択すれば、60歳から65歳になるまでの間に年金を受け取ることができます。受給開始のタイミングは繰上げ受給を請求した日の翌月分からです。
 
早く受け取ることができるというメリットがある反面、通常の受給と比べて受給額が減るというデメリットがあります。日本年金機構によると、減額率は1ヶ月につき0.4%です。減額率は「0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」の式で計算します。
 
したがって、60歳で年金を受給すると一番減額率が高くなるということです。計算式に当てはめると、最大減額率は「0.4%×60ヶ月」で24%です。本来受け取ることができる年金が10万円の場合は「10万円×24%」で2万4000円の減額です。
 
ちなみに、年齢に関しては「年齢計算に関する法律」に基づいて計算されるため、65歳に達する日は65歳の誕生日の前日です。例えば、4月1日生まれの場合、65歳に達する日は3月末日になります。減額率を計算するうえでも、覚えておきましょう。
 

繰上げ受給の注意点とは?

繰上げ受給を選択する際、気をつけてほしいのが、いったん請求すると取り消しができないことです。そのため、一生涯減額された年金を受け取ることになります。国民年金に任意加入したり保険料を追納したりすることもできません。
 
また、国民年金の寡婦年金を受け取っている人も、受給した途端、権利がなくなってしまいます。障害基礎(厚生)年金の請求もできなくなってしまいますので、持病がある人は注意するようにしましょう。
 

繰下げ受給とは?

繰上げ受給の反対が繰下げ受給です。65歳で受け取らずに66歳以後75歳までの間に年金を受け取ることができます。
 
受け取る時期を遅らせれば遅らせるほど、受給できる年金額は増えます。日本年金機構によると、増額率は1ヶ月につき0.7%です。増額率の計算式は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」です。
 
ということは、75歳で受け取ると、最大増額率になります。計算式に当てはめると、最大増額率は「0.7%×120ヶ月」で84%です。ただし、75歳に達した月を過ぎたら、年金額は増えません。
 
また、繰上げ受給と同じくいったん請求すると取り消しができず、一生涯同じ年金を受け取ることになります。繰下げ待機期間中は、加給年金額や振替加算の受給もできないというデメリットもあります。
 

繰上げ受給の最大減額率は24%

繰上げ受給の減額率は1ヶ月につき0.4%です。減額率は「0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」の式で計算します。
 
ということは、60歳で年金を受給した場合、最も減額率が高くなります。この場合の減額率は「0.4%×60ヶ月」で24%です。年金の減額率を踏まえながら、老後の生活設計を考えるようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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