更新日: 2024.01.23 その他年金
老後の年金額は夫婦で「月15万円」になりそうです。節約すれば生活は問題ないでしょうか? 90歳まで生きるなら、年金以外でいくら必要になりますか?
今日では人生100年時代ともいわれており、令和4年の平均寿命が男性で81歳、女性で87歳を超える今、90歳以上の人も珍しくありません。それでは、90歳まで生きると仮定した場合に実際にかかる生活費はいくら必要なのでしょうか?
そこで本記事では、年金を受け取れる65歳から90歳までの期間でかかる生活費がいくらなのかについて解説していきます。受け取れる年金との差額も紹介するので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上の消費支出は23万円!
総務省の家計調査(2022年)によると、65歳以上の2人以上の世帯(無職世帯)では平均で「月23万8919円」が消費支出となっています。世帯主の年齢別で見てみると、65歳から69歳が月28万10円、70歳から74歳が月24万9589円、75歳以上が月20万5544円です。年齢が上がるにつれて支出が低くなっていくことがわかります。
これらの金額をもとに65歳から90歳までの生活費の総額を計算すると、65歳から69歳は1608万600円、70歳から74歳は1497万5340円、75歳から90歳が3699万7920円です。合計額は6805万3860円になります。
なお、この試算には税金や社会保険料などの非消費支出は含まれていません。ここで算出した生活費総額以上に支出があることを知っておきましょう。
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年金が月15万円の夫婦は標準的な年金額以下
令和5年4月からの標準的な年金額は夫婦で月に22万4482円です。そのため、本事例のように夫婦で月に15万円の年金額しか受け取れない場合は、標準的な年金額よりも7万円ほど少なくなります。
月に15万円の年金収入の場合は年間で180万円です。90歳まで生きた場合に受け取れる年金額は4500万円になります。標準的な年金額の場合と比べると2234万4600円の差です。月に約7万円の差も25年間で大きな差になることがわかります。
年金以外で2300万円を準備する必要がある!
65歳以上の2人以上世帯は平均の消費支出が65歳から90歳までの期間で合計6805万3860円、本事例のように受け取れる年金額が月に15万円の夫婦の場合は、65歳から90歳までの期間に4500万円の年金額を受け取れます。両者を差し引くと2305万3860円のマイナスです。このことから約2300万円を年金以外で準備しておく必要があることがわかります。
また、標準的な年金額を受け取っている夫婦の場合は月額で22万4482円、年額で269万3784円を受け取れます。65歳から90歳まで受け取れる年金額は6734万4600円です。平均の消費支出は6805万3860円なので、70万9260円足りません。しかし、標準的な年金額を受け取れる夫婦であれば、必要な生活費の合計額と年金受給総額はほとんど変わらないともいえます。
現役時代から老後についての備えが重要
夫婦で月に15万円の年金額だと、平均的な生活費を考えた場合に約2300万円もマイナスになってしまうことがわかりました。生活費はあくまで平均の消費支出をもとにしているので、消費支出を下げることも可能でしょう。しかし、25年という長い期間生活することを考えると少なくとも約2300万円は必要になると考えられます。
また、標準的な年金額である月22万4482円を受け取れる夫婦でも、25年間で約70万円が足りない計算になります。もっとも、老後に必要になる支出は医療費や介護費など多岐にわたるので、さらに資金を準備することも必要でしょう。そのため、年金だけに頼らずに現役時代から老後の準備をしておくことが重要です。
出典
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー