共働き夫婦は老後「年金」をいくら受け取れる? 世帯年収「800万円」の場合で試算

配信日: 2024.02.04 更新日: 2024.02.08

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共働き夫婦は老後「年金」をいくら受け取れる? 世帯年収「800万円」の場合で試算
老後の生活において主な収入源となるのは年金です。老齢厚生年金の場合、受け取れる年金額は、現役時代の収入がいくらだったかによって異なります。令和4年の家計調査によると、夫婦共働きの2人以上の世帯における収入の平均額は毎月約69万円、年収だと約800万円になります。この場合、その夫婦は老後に年金をいくら受け取れるのでしょうか。詳しく解説します。
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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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老齢基礎年金の受給額は収入額とは関係がない

まず理解しておくべきことは、老齢基礎年金は収入額ではなく、加入期間によって異なるということです。老齢基礎年金の満額は、令和5年度で79万5000円です。仮に夫婦がどちらも満額を受け取れるとすると、老後に老齢基礎年金で夫婦が受け取れる額は毎年159万円になります。
 

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老齢厚生年金はいくら受け取れる?

それでは、老齢厚生年金はいくら受け取れるのでしょうか。老齢厚生年金の受給額は、報酬比例部分と定額部分、加給年金額を足した額です。このうち、大部分を占めるのは報酬比例部分になり、ここでは報酬比例部分のみを取り上げます。
 
報酬比例部分の計算式は、平成15年3月以前の加入期間は「平均標準報酬月額×7.125÷1000×平成15年3月以前の加入月数」、平成15年4月以降の加入期間は「平均標準報酬月額×5.481÷1000×平成15年4月以降の加入月数」です。
 
仮に加入期間が平成15年4月以降で480ヶ月、夫婦がそれぞれ毎月35万円ずつの収入があるとしましょう。その場合、どちらも等級は21、平均標準報酬月額は34万円となるため、計算式は「34万円×5.481÷1000×480ヶ月」でおよそ89万4499円です。
 
前記した老齢基礎年金と合わせると、世帯で毎年約337万8998円受け取れることになります。月あたりおよそ28万1583円です。
 
夫婦の月収がそれぞれ50万円(等級27で標準報酬月額50万円)と20万円(等級14で標準報酬月額20万円)だった場合を計算すると、「50万円×5.481÷1000×480ヶ月」と「20万円×5.481÷1000×480ヶ月」で131万5440円と52万6176円になり、夫婦2人の老齢厚生年金額は184万1616円になります。老齢基礎年金と合わせた受給額は343万1616円で、毎月28万5968円です。
 

老後の暮らしには足りるの?

それでは、毎月夫婦で28万円程度の年金を受給できる場合、老後の暮らしは賄えるのでしょうか。前記の令和4年度の家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における毎月の消費支出額の平均は23万6696円、非消費支出額の平均は3万1812円です。合計すると、平均で毎月26万8508円支出することになります。毎月28万円程度の年金を受給できるのであれば、なんとか賄える額だといえるでしょう。
 
ただし、この調査では住居費が消費支出額の6.6%となっている点に注意が必要です。金額にすると1万5578円ですから、この額は少なすぎると感じる人も多いでしょう。これは、持家の人が多いことが反映されているためです。そのため、賃貸で暮らしている人は毎月26万8508円の支出額に加え、さらに数万円多く見積もっておくことが大切です。
 

世帯年収800万円の夫婦が受け取れる年金額は毎月28万円程度!

現役時代の世帯年収が800万円の共働き夫婦の場合、受け取れる年金額は340万円程度、月額で28万円程度になるでしょう。持家の人であれば、平均的な暮らしをしていける額だといえます。
 
しかし、賃貸で暮らしている人の場合、月額28万円だとぎりぎり賄えるか、あるいは少し足りなくなる可能性があります。本記事をひとつの目安として自身の生活スタイルを考え、足りなくなりそうな場合は貯金するなど早めの対処を考えましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査 家計収支編2022年 二人以上の世帯 詳細結果表
日本年金機構 は行 報酬比例部分
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2022年(令和4年)平均結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

監修:高橋庸夫
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