更新日: 2024.02.09 その他年金

65歳から年金を受給しようと思っていましたが、みんな何歳から受給するのですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

65歳から年金を受給しようと思っていましたが、みんな何歳から受給するのですか?
シニア世代の再就職が推奨される現在、定年後も再就職して年金の繰下げを検討している方も少なくないでしょう。その一方で「みんな、何歳から年金を受給しているか知りたい」と思う方もいます。
 
そこで本記事では、年金の受給開始年齢の平均や、老齢年金を繰り下げるメリットや注意点を紹介します。年金の繰下げや定年後の再就職を検討している方は、参考にしてください。
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老齢年金を繰下げする人の割合は?

厚生労働省が発表した「厚生年金保険・国民年金事業年報(令和3年度)」によると、年金を繰り下げ受給した方は、国民年金受給者が1.8%、厚生年金の受給者が1.2%でした。その一方で、国民年金受給者は11.2%、厚生年金の受給者は0.2%が繰上げ受給を選択しています。つまり、国民年金・厚生年金ともにほとんどの方が65歳で受給を開始しているのが現状です。
 
近年、定年の延長や定年後の再就職を国が推奨していますが、65歳を超えると職種によっては続けていくのが難しい仕事もあるでしょう。また、健康問題が出てくる方もいれば、配偶者や親、兄弟が要介護者になる方もいます。働き続けられれば収入も得られ、やりがいも感じられますが、無理は禁物です。
 

老齢年金を繰り下げるメリット

特別支給の老齢厚生年金以外の老齢年金を繰下げした場合、「65歳に達した月から繰下げ申し出月の前月までの月数×0.7%」ずつ、老齢年金が加算されます。老齢年金は75歳まで繰り下げできるので、最大で84%まで加算が可能です。なお、老齢基礎年金と老齢厚生年金は別々に繰下げができます。
 
定年後に再就職や再雇用され、給与で生活できる場合は、老齢年金を繰り下げて受給すると受け取れる年金が増えます。年を取ると医療費などで思わぬ出費が増えがちです。また、施設に入所した場合も年金の受給額が増えれば、より余裕ある暮らしができるでしょう。
 

年金を繰り下げる際の注意点

老齢年金の繰下げ受給は、メリットだけでなく例外やデメリットもあります。年金の繰下げ受給を検討している方は、在職老齢年金制度についても把握しておきましょう。
 
本項では、老齢年金を繰り下げるデメリットと注意点を解説します。デメリットや注意点を理解しておけば、いつから年金を受給するべきか、判断の目安にもなるでしょう。
 

税金や保険料が上がる可能性がある

年金の受給額が上がれば、所得税をはじめとする税金や健康保険料も上がります。手取りの金額が少なくなるので、繰下げ期間によっては「税金や保険料の増額で加算分がほぼなくなってしまった」といったケースもあるでしょう。
 
また、再就職や再雇用となり、ボーナスを含む賃金の合計額が一定額を超えると、年金の一部または全部が支給停止となってしまいます。この支給停止となった時期は繰下げの対象となりません。例えば、65歳から70歳まで定年を延長し、年金が支給停止になった場合、70歳から年金を受給しても、繰下げ受給とはみなされないのです。
 
このほか、年金の繰下げ受給を選択すると加給年金や振替加算も受けられません。加給年金とは、夫(妻)が65歳になったときに妻(夫)が65歳未満だった場合、妻(夫)が65歳になるまでに毎年約39万円が厚生年金に上乗せされる制度です。
 
振替加算とは、加給年金が打ち切られた後に、一定の基準を満たした専業主婦(専業主夫)の老齢基礎年金に加算される制度です。加給年金や振替加算を選択したほうがお得なのか、繰下げ受給を選択したほうがお得なのか、計算してみましょう。
 

受給待機中に亡くなった場合は加算分は支払われない

年金の繰下げ受給を選択し、受給待機中に亡くなった場合は遺族によって未支給年金の請求が可能ならば、65歳からの年金が一括して支払われます。この場合、繰下げ受給による加算分は発生しません。それに加えて、請求した時点から5年以上前の年金は時効により受給資格が喪失します。
 
例えば、75歳まで年金を繰り下げ受給する予定で、受給待機中の方が74歳で亡くなった場合、65~68歳までの年金が時効によって消失します。したがって、年金を繰り下げ受給している際に難治性の病気になった場合、その時点から年金の受給開始するなど、臨機応変に対応しましょう。
 

年金の繰下げ受給はよく考えたうえで決断しよう

年金は複数の制度があるため、単純に老齢年金を繰り下げれば受給額が増えるとは限りません。特に、年金の支給停止期間がある場合や、夫婦に年齢差があって加給年金を長期間受け取れる可能性がある場合は、繰下げ受給をしたほうがお得なのか、事前に計算してみるとよいでしょう。
 
年金をいつから受給するかは、自分で決められます。手続きも自分で行えるので、よく考えて受給時期を決めてください。
 

出典

厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業年報(令和3年度)
厚生労働省 結果の概要
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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