更新日: 2024.02.09 その他年金
平均寿命まで生きる場合、年金は「60歳・65歳・70歳・75歳」の何歳で受け取るのがお得? 年齢によって最大「700万円」の差に!? 男性会社員の場合で試算
65歳から受け取り始める場合の年金受給額と比較して、受給開始時期を65歳よりも早めれば毎月の年金受給額は減り、遅らせれば増えます。
本記事では、平均寿命まで生きる男性会社員について、年金を受け取り始める時期が60歳、65歳、70歳、75歳のそれぞれでどれくらい年金を生涯で受給できるのか解説しています。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
年金受給額の平均は約14万円
会社員は国民年金と厚生年金に加入していますが、老後に受け取れる年金額は年収や加入期間によって異なります。
今回は厚生労働省の「令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」における、老齢厚生年金の平均年金月額である14万4982円(老齢基礎年金含む)を65歳から受け取れる年金額と仮定してシミュレーションしていきます。
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男性の平均寿命は81歳
年金はいったん受け取り始めると、そこから生涯受け取ることが可能です。とはいえ、人は何歳まで生きられるかは分かりません。
今回は厚生労働省の「令和4年簡易生命表の概況」における、男性の平均寿命である81歳を基準とします(81歳12ヶ月まで受給したとする)。
65歳から受け取り始めた場合の生涯の年金受給額
今回の前提では、65歳から月額14万4982円の受け取りを開始します。そのため、65歳から81歳までの17年間で受け取れる年金の総額は次のとおりです。
14万4982円×12ヶ月×17年=2957万6328円
60歳から受け取り始めた場合の生涯の年金受給額
年金は65歳よりも前から受け取り始めると、1ヶ月早めるたびに、65歳から受け取るはずだった年金額よりも0.4%が減額されます。そのため、60歳で受け取り始めると、65歳の場合と比べると24.0%減額された年金を受け取ることとなります。
今回の前提において、60歳から81歳までの22年間で受け取れる年金の総額は次のとおりです。
14万4982円×76.0%×12ヶ月×22年=2908万9188円
70歳、75歳から受け取り始めた場合の生涯の年金受給額
年金を65 歳で受け取らずに66歳以後に受け取り始めると、1ヶ月遅らせるたびに、65歳から受け取るはずだった年金額よりも0.7%が増額されます。そのため、受け取り始める時期が65歳の場合と比べると、70歳では42.0%、75歳では84.0%が増額率です。
今回の前提において、70歳から81歳までの12年間、75歳から81歳までの7年間で受け取れる年金の総額は次のとおりです。
・70歳:14万4982円×142.0%×12ヶ月×12年=2964万5919円
・75歳:14万4982円×184.0%×12ヶ月×7年=2240万8418円
まとめ
今回のシミュレーションをまとめると、男性の平均寿命である81歳までに受け取れる年金の総額は受け取り始める時期ごとに次のとおりです。
・60歳:2908万9188円
・65歳:2957万6328円
・70歳:2964万5919円
・75歳:2240万8418円
最も総額が大きい70歳と、最も少ない75歳を比べると、その差は723万7501円にもなりました。とはいえ、年金の良いところは、「生きている限り受け取れる」という点です。
長生きすれば、それだけお金がかかりますので、そのリスクや貯蓄状況などを考慮しながら、年金を受け取り始める時期を決めましょう。
出典
厚生労働省 令和4年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
厚生労働省 令和4年簡易生命表の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー