更新日: 2024.02.13 その他年金
年金額が「月7万円」で生活が苦しい!「年金生活者支援給付金」は受け取れる? 受給要件や金額について解説
本記事では、年金生活者支援給付金の支給要件や支給額、請求方法等について解説します。
執筆者:橋本典子(はしもと のりこ)
特定社会保険労務士・FP1級技能士
年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援給付金とは、公的年金の収入とその他所得の合計が一定基準額以下の年金生活者に、生活支援として支給されるものです。消費税率が10%に引き上げられた2019年に、消費税引き上げ分を財源として開始されました。
年金生活者支援給付金には「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類がありますが、本記事では、老齢年金生活者支援給付金について説明します。
老齢年金生活者支援給付金の対象者は?
老齢年金生活者支援給付金を受給できるのは、次の3つ全てに該当する人です。
●65歳以上で、老齢基礎年金を受給している
●同一世帯の全員が市町村民税非課税
●前年の公的年金収入とその他所得の合計が77万8900円以下
なお、77万8900円を超え87万8900円以下の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
老齢年金生活者支援給付金の額
老齢年金生活者支援給付金の月額は、次の(1)と(2)の合計です。
(1) 5140円×保険料納付済期間/480月
(2) 11041円×保険料免除期間/480月
なお、2023年度の基準額5140円は、2024年度には5310円に変更されることが決まっています。
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年金7万円だと年金生活者支援給付金はもらえない?
年金月額が7万円ということは、年額では84万円です。この額は老齢年金生活者支援給付金の収入・所得要件である77万8900円を超えているため、老齢年金生活者支援給付金ではなく「補足的年金生活者支援給付金」が支給されます。
補足的年金生活者支援給付金とは
老齢年金生活者支援給付金の収入・所得要件である77万8900円を少し超えたからといって、給付金がゼロになってしまうのは不公平です。そのため、年金収入とその他所得の合計が77万8900円を超え87万8900円以下の人に支給される補足的年金生活者支援給付金の制度があるのです。
補足的老齢年金生活者支援給付金の額は、図表1のように、5140円(2024年度は5310円)を基準に、年金やその他所得の額による調整支給率を乗じて計算します。
図表1
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
年金7万円の場合の受給額は
老齢年金が月額7万円(その他の所得なし、保険料納付済期間480月)の場合の受給額を計算してみましょう。
調整支給率 (87万8900円-84万円)/(87万8900円-77万8900円)=0.389
支給額 5140円×480月/480月×0.389=1999円
年金月額が7万円の場合、補足的老齢年金生活者支援給付金は、1999円となります。
年金生活者支援給付金を受けるには
年金生活者支援給付金の対象者には、9月頃、日本年金機構から封書が送付されます。同封の請求ハガキに必要事項を記載して投函(とうかん)することで請求手続きは完了します。その後、継続して受給要件に該当していれば、毎年請求手続きをする必要はありません。
ただし、パート所得などがある人は注意が必要です。年金生活者支援給付金は前年の所得をもとに判定されるため、年度によっては支給停止になり得るからです。こうした人が再び要件に該当した場合は、再度、年金生活者支援給付金の請求をする必要があります。
年金生活者支援給付金は遡及(そきゅう)して受け取ることができないため、早めの請求手続きが肝心です。なお、年金生活者支援給付金は、2ヶ月に一度、年金と同じ口座に振り込まれます。
まとめ
年金生活者支援給付金は、公的年金やその他の所得が一定基準以下の人に対し、生活支援の目的で支給されるものです。請求をしないと受給できないため、日本年金機構から封書が届いたら早めに対応しましょう。物価高の昨今、こうした給付金は賢く受給したいものです。
出典
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
厚生労働省 令和6年度の年金額改定についてお知らせします
日本年金機構 年金Q&A (簡易な年金生活者支援給付金請求書(はがき型))
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士