更新日: 2024.02.16 iDeCo(確定拠出年金)

老後対策と節税のため「iDeCo」を始めようと申し込みました。しかし「不該当」の通知が来たのですが、なぜでしょうか?

老後対策と節税のため「iDeCo」を始めようと申し込みました。しかし「不該当」の通知が来たのですが、なぜでしょうか?
iDeCo(個人型確定拠出年金)を申し込んだら「不該当」の通知が届いた、という方がいらっしゃるかもしれません。この場合の「不該当」とは、「iDeCoの加入申出が不成立となった」ことを意味します。
 
本記事では、なぜ不該当となったのか、それに対しどのように対応したら良いかについて解説します。不該当の通知が来た方だけでなく、これから申し込みをしようとされている方にとっても参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。

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中村将士

執筆者:中村将士(なかむら まさし)

新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

私がFP相談を行うとき、一番優先していることは「あなたが前向きになれるかどうか」です。セミナーを行うときに、大事にしていることは「楽しいかどうか」です。
 
ファイナンシャル・プランニングは、数字遊びであってはなりません。そこに「幸せ」や「前向きな気持ち」があって初めて価値があるものです。私は、そういった気持ちを何よりも大切に思っています。

不該当の理由

iDeCoへの加入申出が不成立となった方には、国民年金基金連合会より「加入者資格不該当通知書」が送付されます。この通知書には、iDeCoへの加入申出が受理できなかった旨とその理由が記載されています。
 
iDeCo公式サイトによると、不該当となる理由は、以下のとおりです。

●生年月日相違(加入申出書に記入された生年月日が相違している)
●性別相違(加入申出書に記入された性別が相違している)
●被保険者種別相違(国民年金または厚生年金の被保険者記録と個人型年金の記録が相違している)
●国民年金で死亡扱い(国民年金の被保険者記録が死亡扱いとなっている)
●国民年金保険料免除対象者(国民年金の被保険者記録が保険料免除該当になっている)
●iDeCo掛金額が限度額超過(国民年金)(加入申出書に記入された個人型年金掛金額が拠出限度額を超えている)
●公的老齢年金受給者(公的老齢年金を受給している)
●iDeCo老齢給付金受給者(iDeCoの老齢給付金を受給している)
●基礎年金番号記録なし(加入申出された基礎年金番号では記録がなかった)
●マッチング拠出利用(マッチング拠出を実施している)
●年単位拠出利用(企業年金掛金が年単位拠出である)
●他年金相違(加入申出書に記入された企業年金制度等が相違している)
●iDeCo掛金額が限度額超過(企業年金)(加入申出書に記入された個人型年金掛金額と他の企業年金掛金額の合計額が拠出限度額を超えている)

通知書には、上記理由のいずれかが記載されているはずです。通知書が届いたら、まずは理由を確認してみましょう。
 

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不該当への対応法

通知書に記載されている理由により、対応法が異なります。
 
「生年月日相違」の場合、加入申込時に記入した生年月日が誤っている、もしくは基礎年金番号が誤っている可能性があります。生年月日、基礎年金番号を確認し、再度加入手続きを行う必要があります。
 
「性別相違」の場合、加入申込時に記入した性別が誤っている、もしくは基礎年金番号が誤っている可能性があります。性別、基礎年金番号を確認し、再度加入手続きを行う必要があります。
 
「被保険者種別相違」の場合、加入申込時に記入した被保険者種別(国民年金「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」「任意加入被保険者」、厚生年金保険「民間事業所」「国家公務員」「地方公務員」「私立学校共済」)が誤っている、もしくは基礎年金番号が誤っている可能性があります。被保険者種別、基礎年金番号を確認し、再度加入手続きを行う必要があります。
 
「国民年金で死亡扱い」の場合、国民年金の被保険者記録において「死亡」と記録されています。年金事務所で記録訂正依頼を行い、訂正が完了した後、国民年金基金連合会へ連絡する必要があります。
 
「国民年金保険料免除対象者」とは「国民年金の保険料が免除されている、または納付猶予されている方」であり、この場合、iDeCoに加入することができません。加入するには、国民年金保険料を納付し、「免除」「納付猶予」に該当しなくなった後に、手続きをする必要があります。
 
「iDeCo掛金額が限度額超過(国民年金)」の場合、付加保険料の納付によって拠出限度額を超えている可能性があります。付加保険料を含めた金額が拠出限度額の範囲内になるよう調整し、再度手続きを行う必要があります。
 
「公的老齢年金受給者」とは、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受給している方であり、これに該当する方は、iDeCoに加入することができません。
 
「iDeCo老齢給付金受給者」とは、iDeCoの老齢給付金を受給している方であり、これに該当する方は、iDeCoに加入することができません。
 
「基礎年金番号記録なし」の場合、加入申込時に記入した基礎年金番号が誤っている可能性があります。基礎年金番号を確認し、再度加入手続きを行う必要があります。基礎年金番号が分からない場合、年金手帳や基礎年金番号通知書などで確認するか、年金事務所において被保険者記録を確認する必要があります。
 
「マッチング拠出利用」の場合、企業型確定拠出年金でマッチング拠出をしている可能性があります。マッチング拠出している場合、iDeCoに加入することができません。iDeCoに加入するためには、マッチング拠出をやめる必要があります。
 
「年単位拠出利用」の場合、企業型確定拠出年金で事業主掛金が年単位拠出となっている可能性があります。年単位拠出の場合、iDeCoに加入することができません。iDeCoに加入するためには、年単位拠出を各月拠出に変更する必要があります。この場合、企業型年金規約も変更する必要があります。
 
「他年金相違」の場合、加入申込時に記入した他年金制度加入状況が誤っている、もしくは基礎年金番号、生年月日、性別のいずれかが誤っている可能性があります。他年金制度加入状況、基礎年金番号、生年月日、性別を確認し、再度手続きを行う必要があります。
 
「iDeCo掛金額が限度額超過(企業年金)」の場合、加入申込時に記入した個人型掛金額と他の企業年金掛金額の合計額が拠出限度額を超えている可能性があります。企業型記録関連運営管理機関の加入者Webサイトで確認する、または勤務先の企業型確定拠出年金の担当者に問い合わせるなどして、再度手続きをするようにしましょう。
 

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まとめ

不該当の通知がくる理由は、大きくまとめると以下の3点です。

●加入申込時の記入ミス
●拠出限度額超過
●加入資格がない

不該当の通知が来た方は、この点を解決することで、iDeCoに加入することができるでしょう。これから加入をお考えの方は、この点をご理解の上、加入手続きされるとよいでしょう。本記事が少しでも参考になれば幸いです。
 

出典

iDeCo公式サイト 「お手紙を受け取られた方へ」
 
執筆者:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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