更新日: 2024.03.14 その他年金

「年収500万」の30代です。平均年収以上稼いでいるので老後は安泰ですよね? 将来はどれくらいの年金が受け取れるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収500万」の30代です。平均年収以上稼いでいるので老後は安泰ですよね? 将来はどれくらいの年金が受け取れるのでしょうか?
会社に勤めている場合は国民年金と厚生年金の保険料を毎月支払うことになりますが、自分が将来受け取れる年金を実際に計算した経験がある人は意外と少ないのではないでしょうか。
 
受け取れる額は保険料を納めた期間や収入によって変動するため、自分でも試算して老後の生活をイメージすることが大切です。そこで本記事では、年収500万円の人が将来どれくらいの年金を受け取れるのかを考えます。
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年収500万円は高収入?30代の平均を知っておこう

まずは、30代で年収500万円が一般的に高収入なのかを確認してみましょう。厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の会社に勤める30~34歳の平均年収は456万5500円(きまって支給する現金給与額の12ヶ月分に、年間賞与その他特別給与額を加えて算出)です。
 
また、35~39歳の平均年収は508万6500円となっており、2つの数字から導き出すと30代の平均年収はおおよそ483万と考えられます。483万に対して年収500万円であれば平均を上回ってはいるものの、それほど突出した数字ではありません。そのため、30代で年収500万円は平均的といえるでしょう。
 

年収500万円の人が将来受け取れる年金は月に16万2477円

会社に勤めている場合は国民年金と厚生年金の両方に加入するため、将来受け取れる年金を別々に考える必要があります。国民年金に加入することで支給される年金は「老齢基礎年金」と呼ばれ、厚生年金に加入することで支給される年金は「老齢厚生年金」と呼ばれています。
 

・きっちり保険料を納めた場合の老齢基礎年金は79万5000円

老齢基礎年金は収入に関係なく、保険料を納めた期間で受給額が決まります。未納や免除期間の有無によって変動するため、20歳から60歳までの40年間きっちり保険料を納め続けたと仮定して考えてみましょう。
 
令和5年度の老齢基礎年金は満額で79万5000円です。したがって、年収500万円の人が将来受け取れる老齢基礎年金は年に79万5000円で、月に6万6250万円となります。
 

・老齢厚生年金の受給額は年に115万4723円

老齢厚生年金は老齢基礎年金に比べて計算が複雑です。受給額の計算式は平成15年3月以前と平成15年4月以降で異なりますが、ここでは平成15年4月以降に加入したケースで考えてみましょう。
 
一定の条件を満たした場合に受給額が加算される加給年金は考慮せず、加入期間の480月(40年)ずっと年収500万円の想定で計算します。また、平均標準報酬額は500万円÷12で約41万7000円とします。


計算式:平均標準報酬額×(5.769÷1000)×加入期間の月数
受給額:41万7000円×(5.769÷1000)×480月=115万4723円

・将来に受け取れるであろう年金の合計額

計算の結果、年収500万円で40年間働き続けた場合、年に115万4723円の老齢厚生年金を受け取れると明らかになりました。月額に換算すると9万6227円です。
 
また、老齢基礎年金とあわせると年に194万9723円、月に16万2477円となります。家族構成や住む地域、退職金や持ち家の有無などにもよりますが、年金だけで月に16万2477円の収入があれば安定した老後生活が送れる可能性は高そうです。
 

年金の受給額は加入期間や収入によって変動する

本記事では年収500万円の人の年金を計算しましたが、月に16万2477円の受給額はあくまで国民年金の保険料をきっちり払い続け、さらに収入がずっと変わらなかったケースです。
 
未納や免除期間があると将来受け取れる年金は減るため、今回の結果を鵜呑みにしすぎないようにしてください。また、今後年収が増えた場合には、むしろ年金が増える可能性もあります。
 

出典

e-Stat 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 産業大分類 表番号1
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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