更新日: 2024.03.14 その他年金

「月15万円の年金」を受け取るために必要な「年収」は?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「月15万円の年金」を受け取るために必要な「年収」は?
老後の大きな支えとなる年金がいくらもらえるのかを、気にする方は少なくありません。年収や平均月収、賞与の金額などが分かれば、おおよその年金額を求めることは可能です。
 
また、将来受け取る年金額を増やす方法もありますので、なるべく多く受け取りたい方にはおすすめです。今回は、収入から年金を計算する方法や、年金を増やす方法についてご紹介します。
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収入から年金を算出する方法

年金には、老齢基礎年金と老齢厚生年金があり、収入によって変動するのは老齢厚生年金です。老齢基礎年金は、40年間欠かさずに納めていれば、満額を受給できます。日本年金機構によると、令和5年時点の老齢基礎年金額は満額だと月に6万6250円、年間で79万5000円が受給可能です。
 
老齢厚生年金は、報酬比例部分を計算すると、主な金額が算出されます。報酬比例部分とは、年金の計算をする際に基礎となる数値のことです。報酬比例部分は、以下の計算式で求められます。


・平成15年3月以前に厚生年金保険へ加入していた期間の数値

平均標準報酬月額×0.007125×平成15年3月までで加入していた期間の月数
 
・平成15年4月以降に厚生年金保険へ加入していた期間の数値
平均標準報酬額×0.005481×平成15年4月以降で加入していた期間の月数

平均標準報酬月額とは、月収を基に決められる金額である標準報酬月額の総額を、加入期間で割った数値のことです。平均標準報酬額とは、標準報酬月額と、賞与を基に決められる標準賞与額の合計を加入期間で割った数値を指します。
 
例えば、平成15年4月以降に厚生年金に加入して、平均標準報酬額が24万円で30年間加入していたとすると、報酬比例部分は約47万3558円です。月額にすると約3万9463円になります。
 
なお、標準報酬額の区分は日本年金機構の厚生年金保険料額表から確認できますので、チェックしておきましょう。
 

月に15万円の年金を受け取れる年収

今回は、以下の条件を踏まえたうえで、月に15万円受け取れる年収を計算します。


・年金は国民年金、厚生年金ともに40年間欠かさずに納めている
・賞与はないものとする
・報酬比例部分を老齢厚生年金額とする
・平成15年4月以降に厚生年金へ加入したとする
・老齢基礎年金の金額は、令和5年時点の金額とする
・65歳で退職する単身世帯で、受給開始も65歳とする

まず、令和5年時点の老齢基礎年金の月額は6万6250円です。月に15万円受け取るためには、残りの8万3750円を老齢厚生年金で補う必要があります。年間だと老齢厚生年金だけで100万5000円必要です。
 
必要な金額から逆算すると、平均標準報酬額は約38万2002円になります。平均標準報酬額を年収に換算すると約458万4024円です。
 

受け取れる年金額を増やす方法

受給できる金額を増やす方法として、繰下げ受給の活用があります。繰下げ受給とは、年金を本来受け取る65歳よりも遅く受け取ることです。遅らせた月数によって、受け取れる年金額が徐々に増していきます。
 
最大で75歳まで繰り下げられて、1ヶ月ごとに増加率が0.7%加算されるため、最大で、65歳時点の金額よりも84%増えた金額を受給することが可能です。
 
また、学生納付特例制度を利用して、学生時代に国民年金を納めなかった期間がある方は、老齢基礎年金を満額は受け取れません。10年以内に追納をすれば、学生時代に払えなかった分も納めたことになるため、将来受け取る年金額を満額にできます。
 

年金を多く受け取りたいなら繰下げ受給も検討してみる

老後に受け取る年金は、納めた期間や、働いていたときの収入によって金額が変動します。月に15万円の年金を受け取りたい場合は、仮に40年間働いていたとして、平均年収458万4024円が目安です。
 
もし、受け取れる年金額を増やしたい場合は、繰下げ受給や追納などの制度を活用してみましょう。ただし、繰り下げできる年数や、追納ができる期限は決まっていますので、なるべく早いうちに決断して、行動に移すことが必要です。
 

出典

日本年金機構
老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
令和5年4月分からの年金額等について
老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
年金用語集 は行 報酬比例部分
厚生年金保険の保険料
令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
年金の繰下げ受給
国民年金保険料の学生納付特例制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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