更新日: 2024.04.01 その他年金

「年収500万円」の会社員は、専業主婦の妻とあわせて「月20万円」の年金を受け取れる? 老後に受け取れる年金額を試算

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「年収500万円」の会社員は、専業主婦の妻とあわせて「月20万円」の年金を受け取れる? 老後に受け取れる年金額を試算
年金は老後の生活を支える大切な収入源です。受け取る年金は多いに越したことはないでしょうが、会社員の場合、受け取る年金額は現役時代の収入に左右されます。
 
本記事では、年収500万円の会社員の夫と専業主婦の妻が、老後に夫婦で年金を毎月20万円以上受け取れるのか計算しています。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

会社員と専業主婦の妻が受け取る年金の種類

日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2階建てとなっています。会社員は国民年金と厚生年金に、会社員の妻が専業主婦の場合、妻は国民年金に加入します。そして、基本的には65歳以降、夫は老齢基礎年金と老齢厚生年金を、妻は老齢基礎年金を受給可能です。
 
今回は、夫は20~60歳まで会社員として働き、その間の平均年収が500万円、妻は夫と年齢が同じで、40年間国民年金のみに加入してきた前提で計算していきます。
 

夫と妻が受け取る老齢基礎年金の金額

老齢基礎年金は、受給資格期間の10年間を満たした人が、保険料を納付した期間に応じて受け取れる年金額がきまります。今回の前提では、夫も妻も老齢基礎年金を満額受給することが可能です。
 
老齢基礎年金の満額は2023年度は年間で79万5000円ですから、夫婦2人分では159万円です。
 

夫が受け取る老齢厚生年金の金額

老齢厚生年金には「報酬比例部分」「経過的加算」「加給年金」がありますが、今回はメインの「報酬比例部分」について見ていきます。
 
「報酬比例部分」は「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入月数」で計算されます。平均年収が500万円の場合、平均標準報酬額は41万円です。よって、20~60歳までの平均年収が500万円の場合、将来受け取れる年金の年額は次のとおりです。
 
41万円×5.481÷1000×40年間×12ヶ月=107万8661円
 

年収500万円の夫と専業主婦の妻が受け取る年金額

ここまでのシミュレーションをまとめると、年収500万円の夫と、専業主婦の妻が受け取る年金の年額は次のとおりです。

 
●夫と妻の老齢基礎年金:159万円
●夫の老齢厚生年金:107万8661円

 

夫婦の合計は266万8661円ですので、月額にすると22万2388円です。
 

妻が専業主婦の場合に夫婦で年金を20万円受け取るのに必要な年収

夫の生涯の平均年収が500万円であれば、今回の前提では夫婦で年金を月額22万円受け取れます。ただし、22万円は額面ですので、ここから税金や社会保険料が引かれ、手取り収入は20万円以下となります。
 
また、夫の年収が今回の前提よりも少なければ、額面でも夫婦合わせて月額20万円受け取れない場合もあります。
 
計算すると、「平均標準報酬額」が32万円以上であれば月額20万円以上もらえます。そして、平均標準報酬額が32万円になるには、年収が372万円以上でなければなりません。いい換えれば、年収が372万円未満であれば、夫婦で合わせて月額20万円は受け取れないということです。
 

まとめ

今回の前提にあるように、夫の年収が500万円であれば、老後の年金は額面月額20万円以上もらえそうです。具体的な金額は個々の事情により変わりますので、気になる人は自身に当てはめて計算してみましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

ライターさん募集