更新日: 2024.04.23 その他年金

昨年定年退職した61歳です。年金受け取りまであと2年ですが、すでに生活が厳しいです…。年金受給を早めることはできますか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

昨年定年退職した61歳です。年金受け取りまであと2年ですが、すでに生活が厳しいです…。年金受給を早めることはできますか?
定年後もらえる年金は、ある一定の年齢にならなければ、受給することはできません。定年後、十分な貯蓄がなく年金以外に収入を得られない場合は、通常よりも年金を早く受け取りたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。本記事では、定年後もらえる年金の内容や通常よりも早く年金を受給する方法、注意点について解説します。
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特別支給の老齢厚生年金とは

原則65歳になると、年金の受給要件を満たしていれば、老齢基礎年金と老齢厚生年金が受給可能です。厚生年金保険の受給年齢は、昭和60年の法改正により60歳から65歳へ引き上げられました。受給開始年齢の引き上げをスムーズに行うため、65歳までの5年間で年金を段階的に受け取れるよう設けられたのが特別支給の老齢厚生年金です。
 
特別支給の老齢厚生年金は、一定額で受け取れる定額部分と年金の加入期間や過去にもらっていた収入などにより変わる報酬比例部分から構成されるものです。支給額はそれらを合算した金額となり、65歳になると定額部分が老齢基礎年金、報酬比例部分が老齢厚生年金に切り替わる仕組みです。定額部分から老齢基礎年金に切り替わると、定額部分の方が額が大きくなるため、その額を経過的加算して補われるようになっています。
 

老齢厚生年金の繰上げ受給を行えば受給年齢を早められる

特別支給の老齢厚生年金受給の対象者も、原則受給できる年齢にならないと年金を受け取れませんが、年金受給の繰り上げを行えば、受給開始年齢よりも前から年金の受給が可能です。繰上げ受給には、全部繰上げと一部繰上げがあり、特別支給の老齢厚生年金を受給できる年齢の特例にあてはまらない場合は、全部繰上げとなります。
 

年金受給の繰上げを行うとどれくらい受給額が変わる?

年金受給の繰り上げを行うと、繰り上げた月数に応じて一定率で減額されます。
 
繰上げ受給による減額率は以下の通りです。

・昭和37年4月1日以前に生まれた方は、繰り上げた月数×0.5%が減額される(最大30%)
 
・昭和37年4月2日以降に生まれた方は、繰り上げた月数×0.4%が減額される(最大24%)

現在61歳で本来は63歳から10万円の特別支給の老齢厚生年金を受け取れる方が、2年間の年金受給の繰上げを行ったケースを考えてみましょう。現在61歳の方は昭和38年生まれになるため、0.4%の減額率で計算され、2年間(24ヶ月)×0.4%=9.6%が減額されますつまり、10万円×9.6%=9600円となり、繰り上げた場合の受け取れる年金は、毎月9万400円となります。
 
繰上げ受給を選択した場合は、老齢厚生年金だけではなく老齢基礎年金も同様に減額され、一度繰上げを行うと変更することはできないため、注意が必要です。
 

年金受給の繰上げを行えば、受給開始年齢よりも早く受給できる

定年後、経済的に苦しく年金受給までに十分な貯蓄で賄えない場合や、収入などが得られない場合は、年金受給の繰上げを行うことで、本来受け取れる年齢よりも早く年金を受給できます。ただし、年金受給の繰上げを行うと、本来もらえる年金よりも少なくなり、途中から変更はできないため注意が必要です。もし、年金の繰上げ受給を行う場合は、もらえる年金額を確認したうえで、申請するようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 年金の繰上げ受給
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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