更新日: 2024.05.27 その他年金

年金は月に「23万」もらっていると豪語する叔母。さすがに盛っていますよね?最高額はいくらなのでしょうか?

年金は月に「23万」もらっていると豪語する叔母。さすがに盛っていますよね?最高額はいくらなのでしょうか?
老後資金の不安が叫ばれる昨今、年金で月に23万円ももらえるなら老後の生活も安定するでしょう。しかし、年金で月に23万円もらうには、どのような条件をクリアする必要があるのでしょうか。
 
そこで今回は、年金の最高額を算出するとともに老後の年金を増やす方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金の最高額はおよそ37万円

個人年金を除いた年金制度でもらえる最高額は、2023年時点でおよそ37万円といわれています。この金額は、基礎年金に厚生年金をプラスした場合です。基礎年金は金額を大きく変えられませんが、厚生年金なら条件次第で支給額を大幅に増やせる可能性があります。
 
ただし、年金の受給額を増やすには、長い年数をかけて保険料と厚生年金を支払い続けなければなりません。そこで、金額の内訳を詳しく解説します。
 

国民年金の満額

国民年金は、すべての国民が受け取ることのできる公的な年金です。国民年金の満額は、2024年時点で月6万8000円となっています。しかし、誰でも満額を受け取れるわけではなく、条件として保険料の納付月数が480ヶ月に至る必要があります。
 
年金額は固定ではなく、原則として物価変動率や手取り賃金変動率に基づいて、毎年改訂されます。
 

厚生年金の最高額

厚生年金は、国民年金に上乗せされる分の年金です。主に会社員や公務員として勤務しており、社会保険料を納め続けた人に対して支給されます。
 
保険料は当人の収入や賞与に応じて変動し、納める金額が多いほど老後の厚生年金に多く上乗せされる仕組みです。つまり、年収が高い人ほど、厚生年金の支給額も上がるのです。
 
日本年金機構によると、厚生年金の計算には、まず「平均標準報酬額」を求める必要があります。平均標準報酬額は、平成15年4月以降の標準報酬月額と標準賞与月額の総額を加入月数で割った数値です。
 
標準報酬月額とは、4月~6月の3ヶ月の給与の平均額を等級に当てはめた金額で、標準賞与月額は税引き前の賞与額から4桁の数値を切り捨てています。どちらも金額に上限があり、標準報酬月額は65万円、標準賞与月額は150万円です。これらすべてを当てはめると、平均標準報酬額の最高額は102万5000円となります。
 
また、社会保険の最大加入期間は648ヶ月です。さらに、厚生年金の計算式「平均標準報酬額×5.481/1000×加入総月数」を当てはめると、年間約364万480円となるので、月額は約30万3373円です。
 
これに国民年金の満額6万8000円を足すと、約37万1373円という結果になります。この金額が、国民年金と厚生年金を合わせた最高額です。
 

老後資金を準備する方法

次に、現役で働いている方に向けて、老後の資金を準備する方法について解説します。今後の人生に備えたい方などは、ぜひ参考にしてください。
 

若いうちから個人年金に加入する

老後の年金に上乗せする方法の1つに、「個人年金」が挙げられます。個人年金とは、任意加入の年金制度です。
 
加入条件がないため、個人事業主や扶養など厚生年金の対象外にある方でも国民年金に上乗せできます。積立金額が多いほど支給額が多いため、早いうちから加入することをおすすめします。
 

貯蓄の一部を長期投資で資産運用する

貯蓄の一部をNISAや投資信託で運用する方法もあります。運用成績に合わせて資産が増える可能性があるため、老後の蓄えとして始める方も少なくありません。ただし、資金が減ることもあり得るため、リスクとリターンについて勉強してから始めることをおすすめします。
 

年金を月「23万」もらっている可能性は大いにあり得る

年金の最高額はおよそ37万円であることが分かりました。そのため、質問者の叔母が年金を月に「23万」もらっている可能性はあるといえるでしょう。
 
老後の生活では、年金だけでなく現役時代から続けた貯蓄や資産も大切です。年金だけの暮らしだと、車の買い換えや家の修繕など、まとまったお金が必要なときに困ります。そこでいざというときの備えとして、ある程度の貯蓄はあったほうがよいでしょう。
 

出典

日本年金機構 は行 報酬比例部分
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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