更新日: 2024.05.30 その他年金

専業主婦がパートで「月10万円」稼ぐと、年金はいくら増える? 40歳から「20年間」働いた場合で試算

専業主婦がパートで「月10万円」稼ぐと、年金はいくら増える? 40歳から「20年間」働いた場合で試算
これまで育児などのため専業主婦だったものの、少し余裕が出てきたのでパートで働きたいと考える人もいるでしょう。パートで働き所定の条件を満たすと厚生年金に加入でき、将来受け取る年金を増やせます。一方、よく言われる年収の壁も気になるところです。
 
本記事では今まで専業主婦だった人が40歳から20年間、パートで毎月10万円働いた場合に増える年金の金額と、これ以上いくら働くと年収の壁に影響が出るのかを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

専業主婦がパートで働いて年金が増える場合とは

日本の公的年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の二階建てで、会社員などは両方に加入しており、将来は老齢基礎年金と老齢厚生年金が受け取れます。
 
一方、専業主婦は国民年金のみに加入しており、将来受け取る年金は老齢基礎年金のみです。ただ、パートで働き、以下の条件を全て満たした場合は厚生年金に加入することが可能です。
 

(1)労働時間が週20時間以上
(2)賃金が月8万8000円以上
(3)雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれる
(4)学生ではない
(5)勤務する企業の被保険者数が101人以上(2024年10月から101人から51人に変更予定)

 
この条件を満たし厚生年金に加入すると、収入に応じて毎月の保険料負担は発生しますが、将来の年金額を増やすことができます。
 

40歳から20年間、毎月10万円稼ぐと年金はいくら増える?

条件を満たしたうえで40歳から20年間、毎月10万円稼ぐと年金はいくら増えるのでしょうか。厚生年金にもいくつか種類がありますが、今回はメインの「報酬比例部分」について見ていきます。
 
報酬比例部分の計算式は「平均標準報酬額×5.481÷1000×勤務月数」です。そして、平均月収が10万円の場合の平均標準報酬額は9万8000円ですので、20年間、毎月10万円稼いだ場合に増える報酬比例部分の年額は次のとおりです。
 
9万8000円×5.481÷1000×12月×20年間=12万8913円
 
年間で12万円超、毎月1万円以上増えますので、老後の家計の助けになるでしょう。
 

年収の壁的にはこれ以上働くと損な場合もある?

パートで働く場合、「年収の壁」も気になるところです。今回のケースでは毎月10万円、年間で120万円稼ぐため、この金額に近い年収の壁としては、「106万円の壁」と「130万円の壁」があります。
 
「106万円の壁」については、本記事で紹介したパートで働いた際の厚生年金に加入する条件である月8万8000円の基準が該当します。この金額に満たない場合、厚生年金に加入しないため、毎月の厚生年金の保険料負担がない分、将来もらえる年金は老齢基礎年金だけです。
 
続いて「130万円の壁」ですが、今までは家族の扶養に入っている扱いで自身では国民健康保険の保険料を払っていなかったものの、年収が130万円を超えると自身で国民健康保険の保険料を支払う必要があります。
 
なお、現在は繁忙期に労働時間を延ばすなどにより、収入が一時的に上がったとしても、事業主がその旨を証明することで、引き続き扶養に入り続けることが可能となる仕組みがあります。気になる人は厚生労働省のウェブサイトなどを確認しましょう。
 

まとめ

条件を満たしパートで月10万円稼ぐのを20年間続けると、将来の年金は毎月1万円ほど増やせます。働いている間は年金保険料の支払いは必要ですが、毎月の収入も増えるので、今まで以上に貯蓄ができたり、生活費やレジャー費を充実させたりすることができるでしょう。
 
一方、長年専業主婦だった人が急に働くと、リズムを崩してしまって体調不良となったり、ストレスを感じたりするかもしれません。子どもがまだ小さい場合などは、子どもの体調不良で仕事を休むこともあるでしょう。
 
働いている間の収入保険料などの支出、そして自身の体調や家族との時間なども考慮しながら、働き方を考えていきましょう。
 

出典

日本年金機構 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大のご案内
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和5年度版)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

PR
townlife-banner

【PR】日本財託グループセミナー

【PR】日本財託セミナー ライターさん募集