年金を「月20万円」以上もらっているのは、たったの「15%」もいない!? 20万円以上もらえるのは年収いくらから? 必要な年収を試算
配信日: 2024.06.09
本記事では、年金を月20万円以上もらっている人の割合と、20万円もらうためには現役時代どれくらい稼げばよいか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年金制度は2階建て
日本の年金制度は国民年金と厚生年金の2階建てです。1階部分は国民年金で、日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は必ず加入しなければなりません。2階部分の厚生年金は会社員や公務員などが加入しています。
そして、原則として65歳から国民年金の加入者は老齢基礎年金を、厚生年金の加入者は老齢厚生年金を受け取ります。
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年金を月20万円以上もらっている人の割合
厚生労働省の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給権者は男性が1060万440人、女性が539万6261人、合計で1599万6701人です。そして、厚生年金を毎月20万円以上受け取っている人数と、全体に占める割合を表すと図表1のとおりです。
図表1
年金月額 | 男性 | 女性 | 合計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
万円以上~万円未満 (基礎年金額含む) |
人数 (人) |
割合 (%) |
人数 (人) |
割合 (%) |
人数 (人) |
割合 (%) |
20~21 | 73万5334 | 6.9 | 2万3752 | 0.4 | 75万9086 | 4.7 |
21~22 | 55万3806 | 5.2 | 1万5400 | 0.3 | 56万9206 | 3.6 |
22~23 | 37万3837 | 3.5 | 9745 | 0.2 | 38万3582 | 2.4 |
23~24 | 24万7558 | 2.3 | 5971 | 0.1 | 25万3529 | 1.6 |
24~25 | 16万2911 | 1.5 | 3370 | 0.1 | 16万6281 | 1.0 |
25~26 | 10万437 | 0.9 | 1854 | 0.0 | 10万2291 | 0.6 |
26~27 | 5万8850 | 0.6 | 916 | 0.0 | 5万9766 | 0.4 |
27~28 | 3万3028 | 0.3 | 435 | 0.0 | 3万3463 | 0.2 |
28~29 | 1万5615 | 0.1 | 178 | 0.0 | 1万5793 | 0.1 |
29~30 | 7225 | 0.1 | 126 | 0.0 | 7351 | 0.0 |
30~ | 1万2164 | 0.1 | 326 | 0.0 | 1万2490 | 0.1 |
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況を基に作成
図表1では年金月額ごとの割合ですが、20万円以上で計算すると、男性は21.7%、女性は1.2%、合計では14.8%です。
なお、厚生年金に加入できるのは会社員や公務員などで、フリーランスや自営業者は国民年金のみに加入しており、厚生年金に加入していたことがなければ、老齢基礎年金しか受け取れません。
老齢基礎年金の満額は2024年度は6万8000円ですので、老齢基礎年金のみの人を合わせると、年金を毎月20万円もらっている人の割合はもっと少なくなります。
年金を月20万円以上もらうためには現役時代にどれくらい稼げば良いか
老齢厚生年金をどれだけの金額受け取れるかは、現役時代の年収や勤務期間次第です。今回は厚生労働省が提供する「公的年金シミュレーター」にて、年金受給額が20万円を超えるにはどれだけの収入が必要なのか計算していきます。
・生年月日:1980年1月1日
・勤務期間:22歳~64歳
・年金受取開始時期:65歳
この前提でシミュレーションをすると、年金受給額が月20万円を超えるのは、現役時代の平均年収が690万円でした。
国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は男性が563万円、女性が314万円、全体では458万円ですので、690万円稼ぐのは簡単ではないでしょう。
まとめ
厚生年金の受給者で年金を毎月20万円以上もらっているのは15%程度に過ぎません。平均年収から見ても、年金を月20万円以上もらうのはなかなかハードルが高いです。
ただ、年金は受給開始年齢を遅らせると、遅らせた期間に応じてもらえる年金額を増やせます。老後にかかる生活費や貯蓄、年金の繰下げ受給なども検討しながら、老後への備えを考えましょう。
出典
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
国税庁 令和4年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー