中小企業と大手企業では年収が同じでも「年金が異なる」と聞きました。これって本当ですか?
配信日: 2024.06.15
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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中小企業と大手企業では退職金制度に違いがある
中小企業と大手企業では、導入している退職金制度に違いがあります。厚生労働省が公表している「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業割合は74.9%です。
また、企業規模別の退職給付制度がある企業の割合は以下の通りです。
表1
1000人以上 | 90.1% |
300~999人 | 88.8% |
100~299人 | 84.7% |
30~99人 | 70.1% |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
企業規模が大きいほど退職給付制度が整っていることが分かります。
また、退職給付制度がある企業のうち、退職一時金制度のみ、退職年金制度のみ、両方の制度を併用している企業の割合は、それぞれ以下の通りです。
表2
退職一時金制度のみ | 退職年金制度のみ | 併用 | |
---|---|---|---|
1000人以上 | 25.9% | 27.0% | 47.1% |
300~999人 | 41.9% | 17.9% | 40.2% |
100~299人 | 60.3% | 13.2% | 26.5% |
30~99人 | 77.2% | 6.6% | 16.2% |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
企業規模が大きいほど、退職一時金と退職年金制度を併用している割合が高まります。
退職給付額の平均
ここでは、厚生労働省の同調査を参考に退職給付額の平均を紹介します。勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者(大学・大学院卒)の方の退職給付金の平均はそれぞれ以下の通りです。
表3
退職一時金制度のみ | 退職年金制度のみ | 両制度併用 | |
---|---|---|---|
全体 | 1623万円 | 1801万円 | 2261万円 |
勤続20~24年 | 892万円 | 1224万円 | 1490万円 |
25~29年 | 1378万円 | 1586万円 | 2001万円 |
30~34年 | 1642万円 | 1598万円 | 2352万円 |
35年以上 | 1822万円 | 1909万円 | 2283万円 |
※厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
上記より、大企業のほうが退職年金の支給額が多い傾向にあることが分かります。そのため、年収や勤続年数が同じでも、中小企業であるか大企業であるかの違いにより、退職年金制度で受け取れる金額が異なる可能性があります。
退職一時金制度とは
退職金を一時金として受け取ると、税負担が軽くなる点がメリットです。本来であれば所得には税金が課せられますが、退職金を一時金で受け取ると退職所得となるため、税制上の優遇を受けられるようです。退職所得の計算方法は以下の通りです。
退職所得の金額=(収入金額(源泉徴収前の金額)-退職所得控除額)×2分の1
なお、退職所得控除額は勤続年数が長くなるほど増加するようです。
退職年金制度とは
退職年金制度では、退職金を分割で受け取れるようです。公的年金が支給されるまでの間も退職年金を定期的に受け取れるため、生活の負担を軽減できるでしょう。また、退職年金制度を利用すると、一時金で受け取るよりも合計金額が増える可能性があります。
一時金で受け取った退職金を自分で運用する
額面でみると退職年金のほうが多く受け取れますが、税金を考えると退職一時金のほうが負担は少ない傾向があります。税金の負担を軽減するために一時金で受け取り、自分で運用するのも方法の一つです。退職後は収入が減るため、リスクの小さい運用を行うといいでしょう。NISAは非課税で投資できるため、退職金を運用する場合の方法の一つとして考えておくことをおすすめします。
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退職年金は中小企業・大手企業で差が生じる可能性がある
退職年金は、中小企業と大企業で金額に差が生じる場合があります。企業によって金額は異なりますが、一時金と年金を併用している企業の割合を確認すると、企業規模が大きいほど導入している割合も多いため、大手企業のほうが退職金制度は充実している可能性が高いといえるでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
退職給付(一時金・年金)制度
退職給付(一時金・年金)の支給実態
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー