更新日: 2024.06.28 厚生年金
40歳の専業主婦、家計のため「月収22万円」のフルタイム勤務をする予定です。60歳まで働くと、将来の「年金額」はどれだけ増えますか? 厚生年金に加入すれば、老後の暮らしは大丈夫でしょうか?
例えば、結婚して子育てが始まると教育費や老後資金をどのように工面するのか悩む人も多いのではないでしょうか? 専業主婦(夫)になったものの、その後に家計を支えるためにパートやフルタイムで仕事復帰するケースも少なくありません。
本記事では、厚生年金保険に加入して「月収22万円の仕事」を40歳から60歳まで続けたら、将来もらえる年金が増えて老後の暮らしを賄えるようになるのか解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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将来もらえる年金額を増やすには?
現在は「退職金と年金があれば悠々自適な老後生活をおくれる」時代ではなくなったといっても過言ではありませんが、そうはいっても老後の収入源の1つとして年金は無視できない存在です。
老後にもらえる公的年金は、主に老齢基礎年金と老齢厚生年金の2種類が存在します。国民年金保険料を納付して受給資格を得られると受け取れるのが老齢基礎年金、厚生年金保険料を納付すると受け取れるのが老齢厚生年金です。
老齢基礎年金は現役時代の働き方や収入規模にかかわらず、保険料を満額納付していると2024年度は月額6万8000円受給できます。一方、老齢厚生年金額は加入期間や納付保険料額の規模によって変わります。
将来もらえる年金額を増やすには収入を増やし、できる限り厚生年金に長く加入して老齢厚生年金の規模を大きくするのも1つの方法です。
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「月収22万円」の仕事を20年間続けると年金はいくら増える?
老齢厚生年金は、一般的に報酬比例部分、経過的加算、加給年金額を合わせた金額が受給できます。今回は話を分かりやすくするため報酬比例部分のみで考えてみましょう。国民年金や厚生年金の保険料は満額納付しており、免除や猶予、未納などの期間はないものとします。
報酬比例部分は年金額計算の基礎となるもので、加入期間によって次の計算方法に分かれます。今回はこれから厚生年金に加入する予定のため後者の計算式が適用されます。
・(2003年3月以前)平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間の月数
・(2003年4月以降)平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
平均標準報酬額は22万円、加入期間は20年(240月)とすると、受給額は約28万9396円(月額約2万4116円)です。全く仕事をしない場合と比べると、もらえる年金は月単位で約2万4000円増える計算です。
夫婦2人の場合にかかる老後の生活費
総務省統計局の2023年家計調査報告(家計収支編)によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支は、消費支出と非消費支出を合わせた実支出は28万2497円です。つまり、毎月30万円近い支出が発生することが分かります。
一方で年金収入はどうなっているのでしょうか? 日本年金機構の「令和6年度の年金額の例」によると、厚生年金(夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額)は月額23万483円です。今回妻が働くことで上乗せされる分を加えても月額25万4000円程度です。
仮に「支出30万円、収入25万円」の場合は「5万円の赤字」となり、年金収入のみでは老後の暮らしをカバーするのは難しいといえるでしょう。退職金や預貯金でカバーすることはもちろん、老後もできる限り長く働いて「収入を年金のみに依存しない形」を構築することが大切です。
年金に依存するのは危険ですが、貴重な収入源であることは間違いありません。
今回のシミュレーションでも「20年間働いても月額2万円程度しか増えないのか」と考える人もいるかもしれませんが、老齢年金は生涯にわたって受け取れます。つまり長生きするほど得になる可能性が高くなるといえます。
まとめ
本記事では、月収22万円の仕事を60歳まで続けたら、老後の暮らしは賄えるのか解説しました。
考え方やライフスタイルなどは人それぞれですが、生涯にわたってもらえるメリットを考えると、できる限り厚生年金に長く加入して収入を増やし、納付する保険料額を上げるのも1つの方法です。
その一方で年金に依存せず、生涯現役で働いて給料をもらうなど、複数の収入源を構築することも重要です。
出典
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー