更新日: 2024.07.23 その他年金

もうすぐ60歳ですが、専業主婦の期間が長かったので年金は「月6万円」程度です。「あと3年」加入すると年金はどれだけ増えますか?

もうすぐ60歳ですが、専業主婦の期間が長かったので年金は「月6万円」程度です。「あと3年」加入すると年金はどれだけ増えますか?
60歳近くになると、老齢年金の受給額が気になり始める人もいるでしょう。専業主婦の期間が長かった人は老齢年金のほとんどが老齢基礎年金ですが、老齢基礎年金を満額受給できない人は意外に多いものです。
 
本記事では、老齢基礎年金を満額に近づけるための「60歳以降の任意加入制度」について説明します。
橋本典子

執筆者:橋本典子(はしもと のりこ)

特定社会保険労務士・FP1級技能士

老齢基礎年金を増やすには

2024年度の老齢基礎年金の満額は、年額81万6000円です。月換算では6万8000円になります。
 
満額の年金を受給するには、20歳から60歳まで40年間(480月)、保険料を納めていなければなりません。何らかの理由で保険料の納付月数が足りないと、その分、年金受給額も少なくなります。
 

480月納付していない人は多い

しかし現在60歳くらいの人は、保険料納付済期間が「480月」に満たない人が多いのです。なぜなら1991年3月まで、学生には国民年金への加入義務がなかったからです。そのため、その期間に大学や大学院に通っていた人の多くが、20歳から卒業までの期間は保険料を納めていません。
 
しかし、このブランクは、60歳以降に国民年金に「任意加入」することで埋めることができます。
 

任意加入できる人は

60歳時点で納付済期間480月を満たしていない人は、60歳から65歳までの間、任意加入をすることで保険料納付済期間を480月にする(または近づける)ことができます。任意加入できるのは、次の全てに当てはまる人です。

●日本に住んでいる60歳以上65歳未満の人
●厚生年金の被保険者ではない人
●老齢基礎年金を繰上げ受給していない人等

 

任意加入の費用は

任意加入したときの保険料は、月額1万6980円(2024年度)です。1年納めると、20万3760円になります。
 
「それは高い、保険料を少しでも安くしたい」という場合は、前納制度を利用する方法があります。少しですが保険料が抑えられるでしょう。
 

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任意加入するとどうなる?

任意加入すると、老齢基礎年金はどのくらい増えるのでしょうか。いくら増額するか、注意点などを踏まえて見ていきます。
 

任意加入で年金はいくら増える?

1年間任意加入すると「81万6000円×12月/480月」で、老齢基礎年金は年額「2万400円」増額されます。
 
任意加入期間が3年間の場合は年額6万1200円増額し、5年間では年額10万2000円増える計算になります。ただし、任意加入できるのは納付済期間が480月に達するまでですから、5年間任意加入できる人は少数派かもしれません。
 

任意加入は途中で止められる?

任意加入した当初は経済的に余裕があっても、途中で状況が変わることもあるでしょう。そのような場合は、申出をすることで理由を問わず任意加入を止めることができます。
 

任意加入するには

任意加入する場合、または任意加入を検討している場合は、お住まいの市区役所・町村役場や年金事務所に問い合わせ・申出をしましょう。なお任意加入はさかのぼって加入することができないため、申出があった月から加入することになります。
 

まとめ

40年の保険料納付済期間がないなどで老齢基礎年金の満額受給が見込めない場合は、60歳以降に国民年金に任意加入することで、満額受給に近づけることができます。
 
また、老齢基礎年金を増やすには、任意加入のほかにも、任意加入保険料に加えて付加保険料を支払う、繰下げ受給するなどの方法があります。将来の年金受給額を増やすために、いろいろと検討してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
 
執筆者:橋本典子
特定社会保険労務士・FP1級技能士

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