65歳の夫婦二人暮らしです。毎月「20万円」の年金をもらっていますが、今のところ家計はずっと赤字です……他の家庭では足りているのでしょうか?

配信日: 2024.10.16

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65歳の夫婦二人暮らしです。毎月「20万円」の年金をもらっていますが、今のところ家計はずっと赤字です……他の家庭では足りているのでしょうか?
65歳の夫婦2人暮らしでは毎月20万円の年金だと家計が赤字となってしまうケースもあるでしょう。
 
本記事では、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における平均的な支出額などを紹介しながら、年金暮らしにおける家計見直しや生活費を抑えるためのポイントを解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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平均的な年金額

日本年金機構によると、令和6年度における夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な厚生年金額は月額23万483円でした。「標準的」とは、平均的な収入(賞与含む月額換算43万9000円)で40年間就業した場合に受け取り始める老齢厚生年金と2人分の満額の老齢基礎年金の給付水準です。
 
また、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における平均実収入額は月額24万4580円で、そのうち公的年金を含む社会保障給付は月平均21万8441円でした。
 
さらに厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金保険(第1号)の受給者平均年金月額は、老齢基礎年金も含めて14万4982円です。仮に配偶者に厚生年金の加入期間がなかった場合、国民年金の受給者平均年金月額は5万6428円となり、合計で月額20万1410円の年金額となります。
 
以上から、「年金20万円」は夫婦であれば平均的といえる金額でしょう。
 

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65歳以上の夫婦のみ無職世帯における平均的な生活費

65歳以上の夫婦のみ無職世帯における「消費支出」は、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると月平均25万959円です。また、税金や社会保険料など「非消費支出」は、月平均3万1538円となり、合計28万2497円です。収入が年金のみの月額20万円の場合、毎月8万2497円の赤字となります。
 
内閣府の「令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、60歳以上で日常生活の支出を預貯金を取り崩して賄っていることが「よくある」と回答した人が13.5%、「時々ある」と回答した人は34.6%で、合計48.1%の人が貯金を取り崩して生活していることが分かります。
 
また、取り崩し額では平均1ヶ月「2万~5万円未満」が36.9%、「5万~10万円未満」が25.0%、「10万円以上」が15.1%です。貯金を切り崩すにも限界があるため、ある程度節約が必要しょう。
 

老後の生活で削るべき費用とは

まず、最も大きな支出である「食費」を削ることがよいでしょう。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要」では、65歳以上の夫婦のみ無職世帯における1ヶ月の食費の平均額は7万2930円でした。
 
全世代における2人以上世帯の食費平均額は月8万6554円であるため、現役世代と同様の食費がかかっている場合には見直す必要があります。頻繁に買い物に行かずに、週3回までなどと決めておくとよいでしょう。
 
また、固定費の見直しもおすすめです。
 
子どもがすでに独立している場合は、保険などを見直すことができるでしょう。賃貸物件に住んでいる場合には、夫婦2人で暮らせる程度の物件に引っ越すことで、固定費の大幅な削減が可能かもしれません。さらに固定電話などあまり使っていなければ解約し、携帯電話についても格安SIMなどに切り替えるのも効果的です。
 
また、自動車を所有している場合には手放すと維持費用の負担がなくなります。地方自治体によっては、一部負担金を支払うことでバスや電車などがお得に利用できる制度を設けているケースもあります。自動車を所有し続けた場合のコストと比較し、費用面だけでなく利便性も考慮したうえで検討することをおすすめします。
 

節約生活の注意点

赤字になっている部分が分からない場合には、家計簿をつけてみましょう。自分の収入と支出を明確にすることで、節約できるポイントが分かるようになります。便利な家計簿アプリを活用するのもおすすめです。
 
食費を削ることは有効ですが、栄養バランスには注意が必要です。野菜や肉などをバランスよく取りながら、食事内容が貧しくならないように心がけましょう。
 
ウオーキングや家庭菜園など趣味と併せながら、健康で楽しく節約生活をするのが理想です。
 

無理せず節約することで年金生活を楽しもう

年金が夫婦で月額20万円の場合、平均的な支出では毎月赤字になってしまうでしょう。内閣府の調査によれば、半数近くの高齢者世帯では、貯金を取り崩しながら生活しているのが現状です。さらに、突発的な支出が発生したときには、貯金を大幅に切り崩す必要がでてきます。
 
家計簿をつけて食費や固定費などを見直しながら、無理せず節約に取り組むことで年金生活を楽しみましょう。
 

出典

日本年金機構 令和6年4月分からの年金額等について
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編] 2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 表II-1-2 消費支出の費目別対前年実質増減率 -2023 年-(15ページ)、表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
厚生労働省 令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 (2)給付状況 表6 厚生年金保険(第1号)受給者平均年金月額の推移(8ページ)、III.国民年金 (2)給付状況 表20 国民年金 受給者の平均年金月額の推移(19ページ)
内閣府 令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査結果 第2章 調査結果の概要 3.経済的な暮らし向きに関する事項 (4)預貯金の取り崩し(Q9)(50ページ)、(5)預貯金の取り崩し額(Q9-1)(52ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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