定年後の年金は最低でも「月20万円」は欲しいです。この受給額を受け取るにはどれくらいの金額を払えばいいのでしょうか?

配信日: 2025.01.21

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定年後の年金は最低でも「月20万円」は欲しいです。この受給額を受け取るにはどれくらいの金額を払えばいいのでしょうか?
公的年金は老後生活の重要な収入源ですが、それだけで生活費を完全にまかなうことは難しいともいわれています。仮に月20万円の給付金を受け取ろうとした場合、どれくらいの保険料を負担すればいいのでしょうか?
 
本記事では、公的年金の受給額の仕組みと年金だけで老後生活を送ることが難しい理由について解説していきます。
菊原浩司

執筆者:菊原浩司(きくはらこうじ)

FPオフィス Conserve&Investment代表

2級ファイナンシャルプランニング技能士、管理業務主任者、第一種証券外務員、ビジネス法務リーダー、ビジネス会計検定2級
製造業の品質・コスト・納期管理業務を経験し、Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)のPDCAサイクルを重視したコンサルタント業務を行っています。
特に人生で最も高額な買い物である不動産と各種保険は人生の資金計画に大きな影響を与えます。
資金計画やリスク管理の乱れは最終的に老後貧困・老後破たんとして表れます。
独立系ファイナンシャルプランナーとして顧客利益を最優先し、資金計画改善のお手伝いをしていきます。

http://conserve-investment.livedoor.biz/

月に20万円の給付金を受け取るにはいくら稼いだらいい?

公的年金は階層構造となっていますが、基本的には全国民が加入する国民年金と会社員などが加入する厚生年金の2階建てで加入している場合が多いです。
 
1階部分の国民年金の受給額は、保険料を支払った期間に応じて受給額が変動します。保険料を480ヶ月支払うことで上限額に達します。
 
2階部分の厚生年金は加入時期によって受給額の計算方法が変わりますが、基本的にボーナスと給与の平均である平均標準報酬額と加入月数によって受給額が決まるので、現役時代の収入を多くし、加入月数を多くすることで受給額を増やすことができます。
 
しかし、2階建ての公的年金で毎月の受給額20万円を達成するには、現役時代を通じての平均年収が800万円ほど必要となります。会社員の平均年収が430万円ほどの現代において、平均年収800万円を達成できる方は少ないといわざるを得ません。
 
そのため、公的年金に偏重して老後の生活費を準備した場合、配偶者の死亡に伴う受給額の減少という問題に備える必要が出てきます。
 
また、収入を増やして受給額を達成した場合、支出もそれに伴って増加していることも多いため、「当初想定していた受給額では足りなくなってしまった」というリスクもあります。
 

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収入以外で達成する方法は?

そもそも会社員の平均年収はすぐに上げられるものでもなく、勤め先の業績などにも左右されるため、自身の努力だけでは達成することが難しい場合もあります。そこで加入する年金制度の数を増やして3階建てにし、年金受給額を上げる方法をおススメします。
 
公的年金の3階部分は、私的年金になります。私的年金には企業年金やiDeCo、個人年金保険などがあります。
 
私的年金の注意点として、受給期間が有期になっているものや、被保険者が死亡した場合は受給停止になってしまうものがあります。死亡に伴い受給額が大きく減少し、遺族の生活が立ち行かないということにならないよう、加入する年金を選んでいきましょう。
 
私的年金のメリットとして、税金の優遇を受けられたり、保険料を自分で調整できたりする点にあります。例えば、国民年金と厚生年金を合わせた受給額が13万円の方が不足額の7万円を20年間補てんしようとすると1680万円の資産が必要になります。
 
iDeCoを活用すれば、毎月2万3000円ずつ480ヶ月拠出し、これを年利2%で複利運用することで、年金受け取り時点で約1667万円となり、ほぼまかなうことができます。また、所得税などの節税効果も得ることもできます。
 
このほかにもNISAや個人年金保険などで備えることもできますが、いずれも公的年金と異なり、亡くなった場合でも資産を遺族に渡せるメリットがあります。
 

まとめ ~年金受給額を増やす際は複数の年金制度を活用しよう~

平均年収を上げることで年金受給額を増やすことができますが。毎月20万円を受け取ろうとすると現役時代の平均年収が800万円ほど必要になります。
 
また、被保険者が亡くなると受給額が減少してしまうため、公的年金に偏重して老後の備えを行ってしまうと被保険者の死亡を境に遺族の生活が苦しくなってしまうおそれがあります。
 
iDeCoなどの複数の年金制度を活用し、死亡保障も備えつつ老後資金の準備を進めることをおススメします。
 
執筆者:菊原浩司
FPオフィス Conserve&Investment代表

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