個人型確定拠出年金(iDeCo)にかかるコストにはどんなものあるの?(1)

配信日: 2020.08.06

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個人型確定拠出年金(iDeCo)にかかるコストにはどんなものあるの?(1)
個人型確定拠出年金(iDeCo)は税制優遇という大きなメリットがありますが、一方、コスト(手数料等)が口座開設時から継続的に発生します。大きく分けて、口座の開設、維持等に関わるものと運用委託に関わるもの2種類のものがあります。

ここでは、まず口座に関わるものについて解説します。

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口座開設時にかかる手数料

iDeCoの口座を開設するための手数料です。現在は、国民年金基金連合会が受け取る分の2829円が設定されています(消費税率改定前は2777円)。
 
制度変更がなされた頃は、運営管理機関によってバラツキがあり、運営管理機関分の手数料を上乗せして、キリのよい数字で3000円としている機関もありましたが、最近はあまり見かけなくなりました。

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口座管理にかかる手数料

これは、iDeCoで口座を保有している限り発生する手数料です。iDeCoに拠出したお金をリスクなく運用して増やしていかないと(例えば金利が極めて低い定期預金に全額拠出とした場合)、この手数料の分だけ拠出した金額が目減りしていくことになります。
 
手数料体系は、通常は2段階となっています。1つは、拠出(積立)している間(通常は60歳まで)、もう1つは拠出を終了してから貯めたものをすべて受領するまで(通常は60歳以後)です。
 
手数料の最低水準は、運営管理機関が自らの手数料を取らない場合で、積立期間中は、月額で国民年金基金連合会への105円、事務委託先金融機関への66円の合計171円、積立期間終了後は、国民年金基金連合会分を除いた66円です。
 
この水準は、手数料を低く設定している一部の運営管理機関や、あるいは拠出予定額が一定額以上の顧客向け等の優遇手数料です。
 
現時点では、運営管理機関への手数料が少し上乗せされて、積立中が月額500円前後、積立後は月額400円前後のところが多いようです。
 
上記の仕組みを見ればわかるとおり、ほとんどの運営管理機関では、後半の手数料が低くなっています。ごくまれに運営管理機関分の手数料の設定額の違いにより、後半のほうが高いこともあります。 
 
後半の手数料は、拠出期間終了後に一括で受領する場合には、あまり気にする必要はありませんが、すぐに受領できない場合(例えば、50歳以後に加入したため、受給開始が61歳以後となっている場合)や年金で受領する場合に、口座を開設している間(受給が終了するまで)、かかる手数料となります。
 
大まかにいうと、口座を開いている間は、おおよそ年間5000円〜6000円程度の管理手数料がかかるというイメージです(先に述べた最低ラインでも年間2000円程度かかります)。

受給時にかかる手数料

受給時にも、振込の単位で手数料がかかります。こちらも、口座開設手数料と同様で、現在は、各運営管理機関でほとんど変わりはありません。1回あたり440円です。振込の単位でかかりますので、受給する回数が多いほど手数料がかかります。
 
したがって、年金でもらう場合には留意が必要です。例えば、5年間、3ヶ月ごと(年4回)の年金とすると20回ですので、トータルで8800円手数料がかかります。10年間、毎月とすると120回ですので、その6倍の手数料(5万円超)がかかることになります。

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運営管理機関変更時にかかる手数料

運営管理機関によって運用商品や受給法方法等のサービスの違いがありますので、自分が運用したい商品が見当たらなくなった場合、自分の希望する受給方法が選択できない場合には、運営管理機関を変更することも可能です。
 
その際に、すべての運営管理機関ではありませんが、変更時に手数料を設定している運営管理機関があります。4400円というところが多く、先に述べた口座管理手数料の水準を低く抑えている運営管理機関でも、この手数料を設定していることがありますので、チェックが必要です。
 
執筆者:堀内教夫


 

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