更新日: 2020.08.18 その他年金
あるかもしれない年金の記録漏れ! 年金記録の確認方法と対処要領を解説
今回は、あなたの年金記録の確認方法と対処要領について詳しく解説します。
執筆者:辻章嗣(つじ のりつぐ)
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士
元航空自衛隊の戦闘機パイロット。在職中にCFP(R)、社会保険労務士の資格を取得。退官後は、保険会社で防衛省向けライフプラン・セミナー、社会保険労務士法人で介護離職防止セミナー等の講師を担当。現在は、独立系FP事務所「ウィングFP相談室」を開業し、「あなたの夢を実現し不安を軽減するための資金計画や家計の見直しをお手伝いする家計のホームドクター(R)」をモットーに個別相談やセミナー講師を務めている。
https://www.wing-fp.com/
確認しようあなたの年金記録!
年金は、生涯にわたり受け取るものですので、わずかな記録漏れでも、年金の受取総額に大きな差が生じることがあります。この機会に、あなたの年金記録を確認しましょう。
1.そもそも年金記録問題とは
さかのぼること十数年前、年金の記録を紙台帳などからコンピューターに移行することになった際に、多くの年金記録が照合不能となりました。そこで、厚生労働省と日本年金機構では、「ねんきん定期便」を送付するなど、この問題の解決に努めてきましたが、いまだ持ち主不明の年金記録が1951万件(平成29年3月時点)も残っています(※2)。
特に、以下の事例にあるような方は、年金の記録漏れがあるかもしれませんので、この機会にご自分の年金記録を確認してみましょう。(※1、2)
(1)転職や出向が多い方
(2)勤めていた会社が合併、社名変更、倒産した方
(3)姓(名字)が変わったことがある方
(4)いろいろな名前の読み方がある方
2.あなたの年金記録を確認する方法は
それでは、あなたの年金記録を確認する方法を紹介します。
(1)「ねんきん定期便」
年金の加入状況や年金見込額などが記載された「ねんきん定期便」は、被保険者に対して毎年誕生月に日本年金機構から送付されています。そして、特に35歳、45歳および59歳の節目の誕生月に送付される「ねんきん定期便」には、全期間の「年金加入履歴」が記載されていますので、20歳から現在までの加入記録を確認することができます。過去の勤務経歴などと突き合わせて抜けがないか確認しましょう(※1、3)。
(2)「ねんきんネット」
「ねんきんネット」を利用すれば、パソコンやスマートフォンで24時間いつでも年金記録を確認することができます。まず、「各月の年金記録状況」から「未加入」となっている月がないか確認しましょう。そして、過去の勤務経歴などから、その「未加入」となっている月が記入漏れでないか確認しましょう(※1、4)。
なお、「ねんきんネット」を利用するためには、利用者登録をすることが必要ですが、一度登録すれば、年金記録を確認することはもとより、将来の年金見込額を確認することができます(※5)。
(3)「持ち主不明記録検索」
また、「ねんきんネット」には、「持ち主不明記録検索」機能がありますので、国のコンピューターに保存されている年金記録のうち、持ち主が見つかっていない記録について、条件と一致する記録を検索することができます(※6)。
3.年金記録漏れが見つかったら
3.年金記録漏れが見つかったら
年金の記録漏れの疑いがある場合には、以下の方法により確認、相談することができます。
(1)「ねんきん定期便・ねんきんネット専用ダイヤル」を利用
「ねんきん定期便」と「ねんきんネット」の専用ダイヤルが設置されていますので、こちらを利用して電話相談することができます(※7)。
(2)年金事務所や「街角の年金相談センター」で相談
お近くの年金事務所や「街角の年金相談センター」で対面により相談することができます。相談は、原則予約制となっています。全国共通の予約電話番号から予約することができます。
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まとめ
年金は、生涯にわたり受け取りますので、わずかな記録漏れであっても、長い受給期間に照らして見てみれば、受取総額には大きな違いが生じます。あなたの年金記録を確認して、少しでも記録漏れの疑いがある場合には、年金事務所などで相談することをお勧めします。
また、この機会に、「ねんきんネット」への登録をぜひ検討してみてください。
〈出典〉
(※1)日本年金機構「あなたの気になる年金記録 もう一度、ご確認を」
(※2)日本年金機構「年金記録の再確認をお願いします」
(※3)日本年金機構「大切なお知らせ『ねんきん定期便』をお届けしています」
(※4)日本年金機構「『ねんきんネット』による年金記録の一覧表示」
(※5)日本年金機構「『ねんきんネット』に登録するには?」
(※6)日本年金機構「持ち主不明記録検索」
(※7)日本年金機構「電話でのねんきん相談窓口」
執筆者:辻章嗣
ウィングFP相談室 代表
CFP(R)認定者、社会保険労務士