更新日: 2020.09.08 iDeCo(確定拠出年金)

アラ50でも遅くない! iDeCo(イデコ)の良さを見直そう

執筆者 : 柴沼直美

アラ50でも遅くない! iDeCo(イデコ)の良さを見直そう
老後資金の準備というのは、永遠のテーマですね。どんな手段でやればいいのか? 毎月の家計運営で投資に回すお金がない! すでに50歳で「いまさら」始めても間に合わない! など悩みは尽きませんが、アンテナを貼って情報収集をすればベストな方法は見つかります。
50歳をすぎてもiDeCo(イデコ)は注目です。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

法改正で65歳まで運用可能に!

iDeCo(イデコ)についてざっと復習ですが、「自分年金」を用意するために、現役時代から積立投資をしておくことです。iDeCo(イデコ)は老後資金として年金の不足分を上乗せする手段のため、3つの税制上の優遇措置を設けています。
 
この優遇措置は「老後資金を自助努力で準備するため」ですから、途中の引き出しができないという留意点はあります。一度始めたら、60歳(2022年からは65歳まで可能)まで、積立投資を続けましょう、という趣旨です。
 
その目的・趣旨を理解はできていても、すでに自分はアラフィフだから、または50代を超えているので、60歳までだとしても10年もできない。それならば意味がないと、思っていた方には朗報です。これまで60歳までしか運用(積立)できなかったのが、2022年の改正で65歳まで可能になりました。
 
このタイミングで投資をすることに、少し躊躇される方もいるかもしれません。コロナショックで大きく落ち込んだ金融市場は、経済活動の再開や政府による財政・金融支援によって力強く戻ってはいますが、7月に入ってから、また新たに感染者が拡大を続けており、再び経済活動が停止するのではという心配が浮上しています。
 
かといって、そのまま定期預金に預けても年利0.002%というほとんどゼロに近い金利では、老後資金を作っていくことはできない。この板挟みで悩んでおられるかもしれません。
 
ですが、もし55歳の方が65歳までiDeCo(イデコ)を続けるとすれば10年間です。かつてリーマンショックやITバブル崩壊、震災やテロなどで大きく落ち込んだ金融市場は、結局はその難局を克服して上昇しています。
 
つまり長期的に投資を続ければ、経済成長に伴って金融商品の価額は評価され上昇します。目先の1年・2年という短期間で見ないようにするために「長期積立」という方法を使うのです。それが、今まではあきらめざるを得なかったのが、10年間できるようになるというのはとてもありがたい法改正だといえます。

iDeCo(イデコ)の税制上の3メリットも享受できる

これは国が、自助努力での老後資金形成を支援するために創設した制度ですから、3つの税制上のメリットがあります。アラフィフ・50代超えの人でもiDeCo(イデコ)を継続している限り享受できるのですから、利用しないのはもったいないですね。
 
ここで確認しておきましょう。
 
(1)積立をした金額が全額所得から控除される、所得控除。例えば年収500万円ぐらいの人で、毎月2万円 iDeCo(イデコ)で積立投資をした場合、年間7万2000円ほど所得控除が期待でき(この所得控除はそれぞれのケースで変わりますのでイメージとしてお考えください)所得税が抑えられる効果。
(2)運用収益が非課税になる。これは積立NISAにもあります。
(3)老後資金として受け取るときも非課税のメリットが受けられます。
 
この3つの税制上のメリットが受けられるのはiDeCo(イデコ)だけです。
 
前述したように、留意点として途中引き出しができないというのも、考え方を変えれば、「強制的に老後資金がたまる仕組み」というメリットともとれますね。
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者


 

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