50代の薬剤師転職は簡単ではない!?転職を成功させるためのポイントを紹介 |ファイナンシャルフィールド

50代の薬剤師転職は簡単ではない!?転職を成功させるためのポイントを紹介

終更新日: 2020.12.28 公開日: 2020.12.26

古田文子

執筆者: 古田文子

フミコ人材育成研究所 代表、キャリアコンサルタント、心理カウンセラー
ビジネスマナーからコミュニケーションテクニック、クレーム対応の基本などを中心にセミナーを行っております。   職場の悩みからご自身の悩みまで、いつでもご相談ください。     https://www.fumikojio.com/


50代の薬剤師転職は難しいのか?転職活動を成功させるためのポイントは?など、疑問や不安を抱えている50代の方は多いようです。

残念ながら、50代の薬剤師転職は簡単ではありません。しかし、50代薬剤師に有利な転職求人を見極め、効果的なアピールポイント等を理解した上で活動すれば、転職を成功させることは可能です。

ここでは、50代の薬剤師転職求人の探し方や転職を成功させるためのポイントについて解説します。

50代の薬剤師転職が簡単ではない3つの理由

50代の薬剤師の転職活動は給料が高いことや定年までが短いこと、体力面で厳しいことなどの理由から、簡単ではありません。 どのような理由で50代薬剤師の転職が難しいといわれているのかを説明します。



1.給料が高い

経験を積んだ薬剤師であれば、基本的に若い薬剤師よりも給料が高く、雇用側から見ると多くの人件費がかかる場合がほとんどです。厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」から算出した薬剤師の全世代平均年収は約561万円(男性約600万円、女性約535万円)です。 ※企業規模10人以上の場合

中でも50代薬剤師の平均年収は約671万円(男性約724万円、女性約648万円)と、全世代の平均年収を約110万円も上回ります。人件費が安い、若い薬剤師を雇う方が、雇用側としては負担が少ないため50代薬剤師は敬遠される可能性があります。



2.勤続年数が限られる

勤務先にもよりますが、薬剤師の定年はおおむね60~65歳です。50代の薬剤師だと、年齢によっては数年で定年を迎えます。

時間とお金をかけて教育するのであれば、短い期間しか働けない50代より、長く働ける若い薬剤師を優先して採用したいと考える雇用先は少なくありません。そのため、定年が近く勤続年数が限られる50代の薬剤師転職は簡単ではないといわれています。



3.体力的に厳しい

調剤薬局、ドラッグストア、病院など、どの現場でも薬剤師の仕事内容はやさしいものではありません。

薬剤師の仕事内容

・調剤
・服薬指導
・薬歴管理
・レジ対応
・仕出し
・外来対応

などの業務があり、立ち仕事も多いです。また、現場によっては残業もあります。薬剤師に限ったことではありませんが、50代は30~40代と比べると、どうしても体力面で劣ります。

そのため、薬剤師の仕事量が多い現場では、体力面で劣る50代薬剤師より若い薬剤師を優先して採用することが多いです。



50代の薬剤師転職が可能な職場

50代の薬剤師転職が可能な主な職場は4つあり、職場によって仕事内容や転職難易度が変わります。4つの職場について詳しく見ていきましょう。



調剤薬局

調剤薬局は調剤室を備えていて、病院から出された処方箋に従い調剤を行います。病院やクリニックの近くにあるだけでなく、商業施設やドラッグストアに併設されている調剤薬局も増えています。

調剤薬局への転職は比較的容易であるといわれています。なぜなら、全国の薬局数は約6万あり、病院などに比べて数が圧倒的に多いからです。人手不足に悩まされている薬局も少なくないため、50代の薬剤師転職を成功できる可能性は十分にあります。



ドラッグストア

ドラッグストアも全国に多数あるため、転職活動がしやすいといえます。未経験者の採用をしている企業も多く、これまでのキャリアに関係なく働くことができます。また、幅広い年齢の薬剤師を対象としている求人は多いです。

主な仕事内容としては、来店したお客さまへの薬の説明や服薬指導、在庫管理や品出し、レジ打ちなどです。ドラッグストアの薬剤師は売場づくりや店舗運営にかかわる幅広い業務を担当することも多いです。

ドラッグストア業界自体が伸びているため、薬剤師の需要が増えており、50代薬剤師にも十分にチャンスがあります。



医薬品卸業者

医薬品卸業者では卸薬剤師として、問い合わせ対応による医薬品を提供、医薬品の有効性や安全性に関する情報収集・提供、医薬品の管理など、業務内容は多岐にわたります。

医薬品卸業者の数は、薬局やドラッグストアよりも少ないですが、薬に関する豊富な知識が必要なため、キャリアが長い50代薬剤師にもチャンスがある現場と言えます。



病院

医師や看護師と連携して動くことが求められ、調剤や患者さんへの服薬指導などを行います。ただし、給料や体力面の問題から、50代薬剤師より若い薬剤師の方が採用される可能性は高いです。急性期病院や大病院などは、50代薬剤師にとって特に採用が厳しいといわれています。慢性期病院や中小病院の方が、採用される可能性はあるでしょう。



50代の薬剤師転職求人を探す2つのポイント

50代の薬剤師転職求人を探す場合は「50代に関する文言の有無」と「定年年齢の高さ」を確認してください。これら2つのポイントによって、50代薬剤師が転職しやすい求人かどうか、見極めが可能だからです。ここでは、50代の薬剤師転職求人を探す2つのポイントについて詳しく見ていきましょう。



1.50代薬剤師が活躍中の求人を探す

50代薬剤師が転職求人を探す場合は、

求人の文言

・50代歓迎
・50代が在籍
・50代活躍中
・シニア薬剤師活躍中

などの文言が入っている求人を探しましょう。既に50代薬剤師が活躍していて、若手にはない50代薬剤師の魅力を知っており、採用される可能性が高いからです。実際に求人を探してみるとわかりますが「50代歓迎」などの文言が入っている求人はたくさんあります。

逆にこれらの文言が入っていない求人は、若手薬剤師の採用を優先し、50代薬剤師には転職が難しい可能性があります。



2.定年年齢が高い求人を探す

50代の薬剤師転職をする場合は、定年年齢が高い求人を探すことも大切です。定年年齢が高ければ、50代でも長く働くことができ「雇ってもすぐに定年を迎える」という雇用側の懸念を回避しやすくなります。

また、雇用側もできるだけ長く働いてほしいと考えている可能性が高いからです。求人を探す際は、定年年齢も確認するようにしてください。



50代の薬剤師転職を成功させるための2つのポイント

50代の薬剤師転職を成功させるには「年収が下がることも許容する」「強みをアピールする」の2つが重要になります。これらを実行すれば、転職の成功率を高めることが可能です。ここでは、50代の薬剤師転職を成功させるための2つのポイントについて見ていきましょう。




2.経験と知識量をアピールする

50代薬剤師の強みは、これまで培ってきた経験と知識量です。豊富な経験と知識量は若い薬剤師がもっていない50代薬剤師ならではの強みであり、転職活動でアピールをすれば採用が近づくことでしょう。人手不足で即戦力を求めているところには有利なスキルです。



求人の探し方など気をつければ50代薬剤師でも転職可能!

ここでは、50代の薬剤師転職求人の探し方や転職を成功させるためのポイントについて解説しました。 最後に、本記事で紹介した大事なポイント3点をおさらいします。

・50代の薬剤師転職は給料の高さや定年まで短いことがハードルとなり簡単ではない
・「50代歓迎」などの文言がある求人や定年年齢が高い求人が狙い目
・年収が下がることも許容し、経験と知識量をアピールすれば転職しやすい

50代の薬剤師転職は簡単ではありませんが、ここで紹介した求人の探し方や転職成功のポイントを実行すれば、縁をつかむことができるでしょう。転職を検討している方は、求人探しや転職エージェントの利用など、早速動き出しましょう。



出典 厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」

関連記事

ジョブデポ薬剤師が選ばれる理由は?使用するメリットと注意点を解説
20代の薬剤師が転職する際に注意したいポイント
50代の薬剤師が転職する際に注意したいポイント

条件別で転職サイトを探す

「薬剤師転職」についての新着記事

「薬剤師転職」についての人気記事

サイト一覧